土方歳三と樋口一葉が艶姿“鬼あし”プロジェクト
(2009年9月)

2009年9月30日 (水) 鬼あしプロジェクト!第二幕“土方歳三の色恋道中”
癸械横検〆仍亜鬼あし一門会
 まあ、反物ってのは、男のあっしは買った事がないが、女が買うときは、手にとって、手触り、肌触り、織り目、糸のほぐれ、とかなんとか、を十二分に確かめて、品物を決める。さあ、そこで、この豊田佐吉さんの、改良型織機で織った反物は、とにかく、織り目が細かい、でもって、肌触りが良い、ってんで大人気になったのさ。

2009年9月29日 (火) 鬼あしプロジェクト!第二幕“土方歳三の色恋道中”
癸械横掘ヽС據鬼あし一門会
 そこなんだなあ、この時期の豊田佐吉さんは、最初の発明になった木製織機の改良型が、飛ぶように売れる、と思ってた。そりゃそうだろ、従来の木製織機に比べ、性能が2〜3倍にアップさ。ところがどっこい、全く売れやしない、売るためのルート、売れるようになる商品としての魅力、ってぇモノを整える処に気が回らない。でもって、始めたのが、織り子を雇って改良型を使わせ、布を織って、それを売る、反物屋稼業さ。

2009年9月28日 (月) 鬼あしプロジェクト!第二幕“土方歳三の色恋道中”
癸械横供^賤奸鬼あし一門会
そうよ、でもって、織り上がった反物を買うのが、お金持ちの奥方で、奥方から頼まれた仕立て代で、反物から着物を仕立てるのが、このプロレタリアート、貧乏人の一葉さん、って按配なのよ。でもさ、私たち仕立て屋が針仕事で扱い難い反物は、良い着物にならないから、奥方たちも、仕立てやすさ、針仕事のしやすさ、を見越して、買う反物を選ぶ、ってぇ寸法だから、紡績の事業家は、仕立てやすさ、には、事の他、気を使うのよ。

2009年9月27日 (日) 鬼あしプロジェクト!第二幕“土方歳三の色恋道中”
癸械横機〆仍亜鬼あし一門会
 へ!簡単な噺さ、製造者マインドから利用者マインド、作り手の立場から使い手の立場、ユーザー・オン・デマンドってぇ奴よ。いいかい、豊田佐吉さんが発明して、作って売る織機、ってぇ品物は、糸から布を織って何ぼの機械さ、しかも、この機械を買う人は、紡織事業の事業家、まあ、ブルジョワジーだな、でもって、実際に布を織るのは、プロレタリアート、労働者の織り娘さんたちさ。

2009年9月26日 (土) 鬼あしプロジェクト!第二幕“土方歳三の色恋道中”
癸械横粥ヽС據鬼あし一門会
 ま、昔のこった、男で針供養はないわな、それで、ジャーナリスティックな一葉さんは、“なぜ?”って尋ねた。で、簡単な答えが返って来た、って訳だ。その応えは、“自動織機の発明に必要なんだ”、ま、当時の豊田佐吉さんにゃ、頭の先から足の先まで、自動織機の事しか入っちゃぁいねえ。で、重要なのは、針供養が自動織機の発明に、なぜ、必要か、ってこった、土方歳三さんよ。

2009年9月25日 (金) 鬼あしプロジェクト!第二幕“土方歳三の色恋道中”
癸械横魁^賤奸鬼あし一門会
 まあ、あたしゃ、確かに商いは下手だった、でもさ、反物の仕立ての腕は確かだった、でね、豊田佐吉さんが、あたしと顔を合せて、開口一番、「針供養の場所は何処だ?」って尋ねるのよ、大の男が針供養、ってのも可笑しな噺よね、でね、浅草寺の境内にある淡島神社を教えてあげたのさ、ついでに、なぜ、男の身で針供養なのさ、って尋ねたよ。

2009年9月23日 (水) 鬼あしプロジェクト!第二幕“土方歳三の色恋道中”
癸械横押〆仍亜鬼あし一門会
 おっと!さすがだね、鬼あしのご隠居、将を射らんと欲すれば、まず、馬を射らん!ってね、まあ、江戸東京の魅力は昔から変わっちゃいない、間口の広さと奥行きの深さ、あっしもそうさ、まず、飲んでも利かない薬を、売り付ける、それも、高貴な女を相手にお高くね、こん時に重要なのが、商い下手の一葉さんには、分らない、そうだろ。

2009年9月22日 (火) 鬼あしプロジェクト!第二幕“土方歳三の色恋道中”
癸械横院ヽС據鬼あし一門会
 知ってるよ、浅草寺の境内にある淡島堂だろ、ここで、毎年2月8日に開催されるのが恒例の針供養だ。そりゃぁ、今と違って、昔は針は女の命さ、針仕事でお世話になった針が折れる、その折れた針を2月8日の針供養で、豆腐に指して、針を成仏させる、まあ、信心深い日本人の良き伝統さ。まあ、豊田佐吉さんが、針供養に気が付いたのが、東京に来た大きな収穫になり、やがては、G型自動織機の発明に繋がる、良い話ねえ。

2009年9月21日 (月) 鬼あしプロジェクト!第二幕“土方歳三の色恋道中”
癸械横亜^賤奸鬼あし一門会 
 でしょう、だったら噺は早いじゃん、反物の織り手と仕立て屋の仲、これを取り持つのはだ〜れ、誰でしょね、なん、なん、棗の花の下、お人形さ〜んと、遊んでる、隣の美代ちゃんじゃないでしょか?ま、美代ちゃんは、一葉と豊田佐吉さんの間にゃ、仲を取りもたないけど、浅草の浅草寺の境内に、取り持つ、お方がいるんだよ。

2009年9月20日 (日) 鬼あしプロジェクト!第二幕“土方歳三の色恋道中”
癸械隠后〆仍亜鬼あし一門会
 なんでえ、なんでぇ、鬼あしのご隠居、藪から棒に、そんな事が分る訳がないだろうよ。この一葉さんと豊田佐吉さんが、初めて顔を合わせ、話す事、この二人、別段、男と女の間柄でもないし、幼馴染でもないし、売った買ったの商い仲間でもないし、要は、豊田佐吉さんが織った、木綿の反物を、一葉さん親子が着物に仕立てた、そんな仲じゃねえか、ん?ってぇ事は、針仕事、仲間か?

2009年9月19日 (土) 鬼あしプロジェクト!第二幕“土方歳三の色恋道中”
癸械隠検ヽС據鬼あし一門会
 へえ、五條天神様の境内が、一葉さんと豊田佐吉さんの初めての出逢いの場所だったの、ですかい。まあ、あの当りは、不忍池周りを含めて、当時は、出逢い茶屋が群がっていた処なんだが、一葉さんと豊田佐吉さんに限っては、無用の場所、って事だろうが、一体全体、この二人が、初顔合わせで、何を話したのか、どうでぇ、土方歳三さんよ、見当が付くかい。

2009年9月18日 (金) 鬼あしプロジェクト!第二幕“土方歳三の色恋道中”
癸械隠掘^賤奸鬼あし一門会
 まあ、何がありがたい効用か、知りたくも無いけど、そんなこんなで、あたしと豊田佐吉さんの初顔合わせは、上野は不忍池のほとり、五條天神社の境内、って事になったのさ。
よりによって、大声で巫女さんを相手に、自動織機の発明の願をかけたい、天神様だから、効き目があるだろう、って喚いてた、そんな遠州弁の男だから、ああ、こいつが、探していた織り手だと、分ったわ。

2009年9月17日 (木) 鬼あしプロジェクト!第二幕“土方歳三の色恋道中”
癸械隠供〆仍亜鬼あし一門会
 はは!巫女さんを困らせたのは、あっしの方が、豊田佐吉さんより先輩さ。いえね、五條天神が医薬祖神だ!って聞いたもんで、その頃、あっしも新薬を開発中、とは云っても、床の中で使う媚薬の類なんだが、その開発完成を祈願したら、巫女さんが、一体どのような効能がある、新薬なんですか?って尋ねるじゃん、で、云ってやったよ、オボコのあんたにゃ、分らねえ、ありがたい効能さ。

2009年9月16日 (水) 鬼あしプロジェクト!第二幕“土方歳三の色恋道中”
癸械隠機ヽС據鬼あし一門会
 そうか、で、噺を元に戻すと、とどのつまりが、千束村で会えなかった、豊田佐吉さんい、一葉さんは、この五條天神社の境内で出会った、って訳だ。なんでも、巫女さんに、天神社の謂れを尋ねてた、具体的には、発明をしたい、って云う祈願に、ここは応えてくれるか、って聞いていた、そうなんだ。まあ、巫女さんも困ったような顔で、さぁ、今まで、発明の祈願に来た参拝者は、記憶がない、ってさ。

2009年9月15日 (火) 鬼あしプロジェクト!第二幕“土方歳三の色恋道中”
癸械隠粥^賤奸鬼あし一門会 
 そうだったわね、新撰組の土方歳三さんの若い頃は、花のお江戸の薬売り、ろくな薬しか扱っちゃいないけど、信仰心は厚かった、って云うより、神社仏閣に来る懐の熱い参拝人に、インチキ薬を売り付けよう、って算段さ。でさ、歳三さんが参った五条天神社に、何の因果か、この一葉さんも、あの豊田佐吉さんも稽古事、文化芸能、技術発明の祈願に参拝してるのよね。でもさ、この五條天神って処は、色っぽい処なの。

2009年9月14日 (月) 鬼あしプロジェクト!第二幕“土方歳三の色恋道中”
癸械隠魁〆仍亜鬼あし一門会
 って云うより、近藤道場には、貧乏神も恐れをなして、入って来るのを遠慮する、そんな面子が揃ってたよ。まあ、武士は喰わねど高楊枝、ってね。そんな、貧乏神も近づくのを嫌がる連中の腹の虫の、機嫌を取るのが、あっしの役目で、関八州をさ、鬼あし!歳三で、歩き回り、インチキな薬を売り付けちゃぁ、飯の種を稼いでた、そんなこんなで、あっしが、頼りにしたのが、上野の五条天神社、ここは医薬祖神で、薬売りにゃ、氏神様さ。

2009年9月12日 (土) 鬼あしプロジェクト!第二幕“土方歳三の色恋道中”
癸械隠押ヽС據鬼あし一門会
 おっと、土方歳三さん、聴いたかい、貧乏神を追っ払うのが、太田神社だってよ、この神社から、近藤勇さんの貧乏道場、試衛館はざっと、半里と近いもんだぜ、どうせ、土方歳三さんのこった、牛天神に芸能上達を願いに来る、女房に娘たちを、かどわかして、ねんごろになる、そのついでに、近藤一派の貧乏神を追っ払ったんじゃないか?

2009年9月11日 (金) 鬼あしプロジェクト!第二幕“土方歳三の色恋道中”
癸械隠院^賤奸鬼あし一門会 
 ほんとに変な話よね、まあ、あたしゃ、岡崎の岩津の天神様の事は知っちゃいないが、まあ、東京の天神様なら、小石川の牛天神北野神社よね。ここはさ、あたしの和歌のお師匠様、萩の舎の中島歌子先生がお気に入りで、門弟一同が揃って、お参りに出かけたものさ。でね、ここには、天神様以外に太田神社って云う、貧乏神を追っ払う、ありがたい神様もいるのさ。

2009年9月10日 (木) 鬼あしプロジェクト!第二幕“土方歳三の色恋道中”
癸械隠亜〆仍亜鬼あし一門会
 はは!そりゃぁそうさ、天神様に、体を強くしたい、って願いに行く奴はいない、こいつぁ昔からの決まり、常識ってぇ奴さ、でもよ、なんで、その当たり前の事を豊田佐吉さんは、知らなかったんだ、おかしいぜ。でもって、その偉人伝の噺は、岩津の天神様までの距離まで違う、昔の石ころだらけのダートコースを草鞋履きで、小学校出たばかりのガキが13里も歩ける訳がない、ってんだ。

2009年9月9日 (水) 鬼あしプロジェクト!第二幕“土方歳三の色恋道中”
癸械娃后ヽС據鬼あし一門会
 まあ、そんな佐吉さんの噺が頭の中に残っていて、十年前に、この商売に鞍替えした時、この豊田佐吉の天神様トリップを再現しよう!ってんで、鷲津の駅から岡崎の岩津天神まで、コースデザインしていたら、どう見ても、10里じゃ収まらない、12里から13里になる。おまけに、岩津の天神様じゃ、天神様に、体を強くしたい、って願掛ける、そんな参拝者はいませんよ!だって。 

2009年9月8日 (火) 鬼あしプロジェクト!第二幕“土方歳三の色恋道中”
癸械娃検ヽС據鬼あし一門会
 そうなんだ、一葉さんよ、豊田佐吉さんと天神様はお神酒徳利、切っても切れないご縁の仲さ。まあ、一昔前は昭和33年、あたしが小学校は4年生の頃さ、学級文庫の偉人伝の仲に、「豊田佐吉」があってさ、読み始めた最初の書き出しが、豊田佐吉さんが小学校を卒業した頃、体が弱い、ってんで、こいつを強くしようと、湖西から10里離れた岡崎は岩津の天神様まで、単身で歩いてお参り、した、ってんだよ。

2009年9月7日 (月) 鬼あしプロジェクト!第二幕“土方歳三の色恋道中”
癸横僑機^賤奸鬼あし一門会 
 図星さ、土方歳三さん、あんたの色恋の勘も、鬼あしのご隠居同様、たいしたもんだわ。あの花園稲荷は、江戸の昔から、訳あり女が、人目を忍んで、縁結びの願掛けに来る、ってんで、あたしも何回か取材を兼ねて足を運んだ処さ。で、その隣が医薬の神様は五条天神様社、で、豊田佐吉さんは、天神様がえらく、お気に入りだった、とにもかくにも、頭脳明晰、合格祈願は、天神様の菅原道真公って、相場が決まってるじゃん。

2009年9月6日 (日) 鬼あしプロジェクト!第二幕“土方歳三の色恋道中”
癸横僑粥〆仍亜鬼あし一門会
 上野の図書館じゃ、会えなかった、ってぇ事は、豊田佐吉さんは、どこか近くの他の場所に、なら、あそこさ、田舎者の純朴な青年が、上の界隈で、まずもって、行きたい処、って云やぁ、決まってらあね、不忍池周りの出逢い茶屋か、五条天神社に花園稲荷って処さ。まあ、豊田佐吉さんは、天神様にえらく、ご喜悦のほどだったから、やっぱり五条天神社、ここなら、あっしも、散々足を運んだ処さ。

2009年9月5日 (土) 鬼あしプロジェクト!第二幕“土方歳三の色恋道中”
癸横僑魁ヽС據鬼あし一門会
 へえ、一葉さんは、本郷菊坂から北千束まで、歩いて、それから、上野まで足を伸ばす、か、確かに、明治の女って、足は達者だね。まあ、それだけ、好奇心が強い、って云うか、で、どうだったね、上野の図書館に、お目当ての豊田佐吉さんはいなさった、かね。え?いなかった、遭えなかった、ですが、別な所で、遠州弁の強い、若い男が、いた。それが、佐吉さん、だって。

2009年9月4日 (金) 鬼あしプロジェクト!第二幕“土方歳三の色恋道中”
癸横僑押^賤奸鬼あし一門会 
 まあ、土方歳三さんと陸奥何とかさんの、経緯はさて置いて、主人は外出中とか、云われて、一体その主人ってのは、どんな風体のお方ですか、って尋ねると、田舎者の割には、鼻筋通った二枚目の色男、って云うじゃない。で、それまでに、あたしも何回か上野の図書館には行った事があるので、じゃ、取り合えず、図書館に行くことにしたのさ。

2009年9月1日 (火) 鬼あしプロジェクト!第二幕“土方歳三の色恋道中”
癸横僑院〆仍亜鬼あし一門会
 さすが、鬼あしのご隠居だ、佐吉逸話をご存知ですねえ。でもねえ、農商務大臣は陸奥宗光って聞くと、この土方歳三にも、思い出があってね、あっしはね、二十代半ばに、この方とは、何回か江戸で顔を合わせているんだ、時代は安政から万延に移る頃さ、近藤さんの江戸道場に居候をしていて、他の食客の分の食い扶持も稼がなきゃならねえ、ってんで、江戸市中から開港したての横浜まで、インチキな薬を行商している最中、このお方が長州の桂小五郎さんとかと、つるんでいるのに、何回か出会ったものさ。