コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.694

◎NHK大河『功名が辻』、山内千代は戦国長距離走チームの女性采配者ですよ! (その5)
〜軍事も情事も達者な家康、千代の情けに功名報い〜

 1月22日、大河ドラマ『功名が辻』は第3回目でしたね。筒井道隆さんが演じる竹中半兵衛は千代と一豊の愛のキューピット、と言う大石静さんの粋な計らいでした。二人が邂逅した半兵衛の居城、菩提山城を昨年9月18日に訪ねています。『第2回 関ヶ原!三成vs家康合戦往還リゾートアスロン』に参加した篠田さんが大の半兵衛ファン、コース変更し、関ヶ原から垂井町の岩手に向かいました。城跡は岩手小学校、丁度、秋の運動会の最中でした。

 さて、千代が再拝した戦国長距離チームを再現するランニング行事は、昨年11月26日〜27日に『第1回 功名が辻!遠州掛川城往還2デイズマラニック』が開催されています。主催者は掛川在の萩田さん、大河ドラマ『功名が辻』の関連舞台となる長浜、掛川、高知で戦国長距離チームを再現したい、そんな私の想いを快諾されました。ただ、高知で千代ランナーを再現される方は未だ、現れていません。

 千代&一豊の情事の運び屋の話に戻ります。慶長5年7月17日、徳川家康は総勢7万人の兵を率いて会津の上杉征伐の途上、石田三成が「逆賊、家康を討つ」と大坂城で挙兵します。この時、家康に従軍中の大名諸侯は家族を大坂屋敷に留めていました。三成は、これら大名諸侯の留守番役に「豊臣方に味方せよ!さもなくば家族を殺す」との書面を渡します。この一大事に山内家以外の留守番役は軍事の運び屋を選んで、主人の従軍先まで走らせます。

 さあさあ、女大名と異名を取る山内家は千代が留守番隊長、この三成の情けの報せに、まったく情けで報いません。早くから、千代&一豊は家康に味方する、と腹を括っていました。とすれば、「味方しませんので、どうぞ殺して下さい」が三成への返事です。この覚悟を決めた千代は、従軍中の一豊にピカイチの情事の運び屋、田中孫作の派遣を決めます。結局、三成の報せを家臣軍への軍事ではなく、一豊への情事に繋げた千代の采配が「功名が辻」に大輪の花を咲かせました。

 後に、頼山陽が「一条ノ笠ニ繋グ八行ノ字」と詠んだ千代の情けの報せ、その送り先は従軍中の一豊ではなく家康でした。7日間・400マイルの時空を経て届いた千代の情け、一豊は全てを悟り、千代のシナリオ通りに振る舞い、家康に報せます。さすがは苦労人、情事も達者な家康は千代の情けに報いました。この顛末詳細は、ご好評につき、この7月以降に再連載いたします。又のご愛読までお元気に。

 なお、8月と10月に『功名が辻!長浜花火大会ナイトアスロン』と『功名が辻!琵琶湖サーキットアスロン』を開催予定です。実施要項が決まり次第、スポーツエントリーに掲載しますので、こちらもお楽しみに。


 <走談家>      藤田 俊英 (06/01/30)





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