コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.690

◎NHK大河『功名が辻』、山内千代は戦国長距離走チームの女性采配者ですよ! (その1)
〜功名出世の種はインテレクチュアル長距離走者〜

 新年1月8日の午後8時からスタートするNHK大河ドラマ『功名が辻』、その主人公は戦国武将の山内一豊と妻の千代、この夫婦鑑を上川隆也さんと仲間由紀恵さんが扮しますね。NHK広報によると、司馬遼太郎さんが女性を主人公にとりあげた希少な長編歴史小説『功名が辻』を原作に、男女の機微に卓越した大石静さんが脚本化し、千代=仲間由紀恵と一豊=上川隆也が走り抜ける、と言うかけっこ仕立てのドラマだそうです。

 NHK広報は物の例えで、『走り抜ける』なる表現を駆使したと思うのですが、なかなかどうして、仲間さんが扮する山内千代、内助の功の代表格、は実に『かけっこ仕立て』な女性でした。要は、千代は一豊の家来集から足達者や脛自慢を選抜し、日々に鍛錬と奉公を重ねさせ、『かけっこ仕立て』のスキルとスタミナを身に付け、さらに、全国の街道を諳んじ、多くの方言を操れるインテレクチュアルな長距離走者に仕立てました。

 つまり、千代は戦国武士の長距離走者家臣団を采配した世界初の実業団長距離チームのオーナーと言えます。そして、チームのピカイチ、田中孫作の400マイル・7日間走力、多国の方言を駆使する能力と暗闇でも迷わない往来の方向感覚が、一豊をして、掛川6万石のマイナー大名から土佐24万石のメジャー大名に功名出世を成し遂げさせました。時は慶長5年7月17日から23日、コースは難波の大坂から常陸の古河でした。

 この400マイル・七日間走の次第は次回から順次紹介しましょう。話を若干そらせます。ドラマ『功名が辻』の舞台は一豊の功名出世に伴い、近江・長浜城下、遠州・掛川城下そして土佐・高知城下と巡ります。最初の舞台の近江・長浜近辺では、早々と昨年の秋から『北近江戦国浪漫紀行』なるイベントを開催、新年早々の1月8日から11月30日まで『北近江一豊・千代博覧会』を長浜城歴史博物館や曳山博物館で開催します。

 手元にある北近江一豊・千代の観光パンフレット、琵琶湖の北から西のエリアに一豊・千代の功名出世の足跡が●印で描かれています。北から順に、余呉湖、賤ヶ岳、木の本の馬市跡、小谷城跡、国友鉄砲村、姉川古戦場、横山城、長浜城、石田三成の出生地、千代の出生地、彦根城、安土城跡等、さあそこで、桃の節句は雛祭りの頃、琵琶湖を眺めつつ、一豊・千代が走り抜けた●印を巡る一泊二日のリゾートアスロンを開催します。


 <走談家>      藤田 俊英 (06/01/04)





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