コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.679

◎「白牡丹 月夜月夜に 染めてほし、豊玉」、これで鬼アスロン開催か (その6)
〜奥武蔵山中を鬼あし巡り、探すは媚薬調合用の神経麻痺系の草木〜

 伝通院、代々の徳川家高位の女性が祭られています。法事等で出入りするのは、現役の大奥の高位の女性たち、その彼女たちにとって伝通院参りは大奥での格式ばった生活から抜け出て浮世との接点を持つ事ができる貴重な機会でした。さて、その伝通院には数多の男性、住み込みの僧侶から寺侍、出入りの商人や職人たち、が姿を見せます。

 映画やTVの大奥ドラマのシーンにもあった伝通院での男女の密会、きわめて当たり前の人間関係が繰り広げられていました。こういう密会は、今で言う不倫ではなくて、江戸時代では割とおおらかな事態で、今のような娯楽の溢れている時代とは違い、いわゆる旅の恥は掻き捨て、そんな心境で男女とも楽しんでいました。

 ですが、やはり密会の際には上手下手、が出てきます。持てる持てない、と言い換えてもよろしいが、高位の女性に人気が出る男性が登場してきます。いつの世の中も変わりません。となると、人気のでない男性はどういう行動を辿るかも、いつの世も変わりません。今のように、簡単に整形手術とはいきませんね。

 となると、簡単な話、頼むは「薬」、強勢強壮剤、今で言うバイアグラの類もさることながら、媚薬が必要となって来ます。で、私の勘では歳三の売り歩いた石田散薬は、本来の石田散薬に、歳三独自の成分を調合した媚薬バージョン、があったはずです。その独自成分は謎、おそらく奥武蔵や秩父の山中で自生したのを摘み取ったか、秘密に栽培されていたのを、購入したと踏んでいます。


 <走談家>      藤田 俊英 (05/10/07)





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