コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.608

◎いよいよ新撰組!ウィーク、鬼あし50`を開催します その3
歳の鬼あしシリーズ、第5弾の開催準備を始めました(その2)
 八王子から63`地点の道の駅「おがわまち」に併設された埼玉県伝統工芸会館の紙梳き職人の方に面会を求め、小川町で梳かれていた紙の薬包み紙としての利用の有無を聞きました。「確かに、昔から薬の包み紙として使われている」との答えが返ってきました。小川町の紙梳きの原点は遠く、8世紀の奈良時代にまで遡ります。韓国から来た渡来人が紙梳きの技術を伝え、以後小川町周辺の奥武蔵丘陵の豊富な山林資源を基にした紙梳き産業が繁栄を続けました。

 伝統工芸会館の駐車場に紙梳き乙女の看板が立っています。揃いの紙梳き姿に身を包んだ乙女たちが、工場制手工業の紙梳き場の中で朝から晩まで、紙梳きに精を出したことでしょう。そんな、紙梳き場に歳三がやって来て、紙屋の旦那を相手に石田散薬を包む紙の仕入れ交渉をしたに違いがありません。歳三の事ですから、好みの娘さんがいたかもしれませんね。

 小川町から高崎に向かいました。寄居町、美里町、神川町と来て、埼玉と群馬の県境の神流川の橋の上で丁度100`、藤岡市に入り、高崎市のスーパー銭湯「テルメ」に着きました。八王子から112`です。Kさんと600円を払って銭湯も下見しました。多彩な風呂が揃っていました。風呂上りのビールを飲む食堂の献立や料金も庶民的なレベルです。2時間2000円でカラオケ歌い放題の貸し個室も確認しました。

 Kさんから聞いていた事を思い出しました。この辺りには「神」の付く地名が多いのです。神川町、神流川、神泉村、両神村などです。それで、カミ=神=紙、と同じ発音である紙と神を合わせて、「カミの郷、土方歳三鬼あし2デイズマラニック」と言うタイトルが浮かびました。驚いたことに、神以外に鬼がつく地名の鬼石町(おにし)も近くにあります。なんとなく、歳の鬼あし、なる呼び方はこの小川町の紙すき娘さん辺りから、人々の口の端に乗るようになった、そんな気がしてきました。


 <NPO法人・市民歩走者学会 会長>      藤田 俊英 (04/05/04)





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