コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.592

◎土方歳三鬼あしフェスタを開催します その2
「女性を惹きつける歳三の魅力は義勇兵、つまりボランティア」
 1月18日、NHKの大河ドラマ「新選組!」の第2回目の放送中、土方歳三の行商姿が何度となく登場しました。歳三演じる山本君は手ぬぐいを帽子代わりに頭に載せて薬箱を背負っていましたが、残念ながら『鬼あし』的な足運びは演じていませんでしたね。ですが、放送中に一言良い台詞を残しました。香取君の近藤勇を前にして、「俺は日本中の打ち身、挫きを直す!」、です。三谷幸喜さんの脚本ならではの布石、又は暗示と感じました。

 昔から、土方歳三の生き様はあまたの女性を惹きつけて止まない魅力に満ちています。その魅力って?何でしょうか。一言で言うと、義勇兵、今はやりの横文字で言うとボランティアを貫いた男のすがすがしさ、ですね。義勇、つまり、「義を見てせざるは勇なきなり」が歳三の生き様でした。そうなると、この「義」って何でしょうか、永六輔さんは義手とか義足を例えに出して、「至らなさを補おうとする行為」が義だと言っています。

 幕末、ペリーの来航以来、日本中に打ち身や挫きが蔓延します。残念ながら、当時の幕府には蔓延した打ち身、挫きを直す治療法がありませんでした。そんな打ち身や挫きを多摩地方に伝わる家伝の石田散薬で治そうとしたのが歳三で、舶来の西洋外科医療で治そうとしたのが坂本竜馬や桂小五郎でした。残念ながら、歳三が貫いた義とは、関八州を薬箱を担いで行商して歩いた時に眼にした「至らなさ」を補おうとする行為でした。

 1月10日、歳三の故郷で開幕した『新撰組フェスタin日野』に併せて『第1回土方歳三鬼あし多摩川フェスタ』の試走会を開催しました。高幡不動尊の歳三銅像の前に午前9時半に9名が集合し、100`の本番コースの45`を試走後、立川駅前の高砂湯で一風呂浴びてから居酒屋で一杯飲む市民ランナーの定番メニューをこなしました。この参加メンバーが4月4日の本番ではボランティアスタッフとして市民ランナーに義勇を披露します。

 <特定非営利活動法人・市民歩走者学会(CReW) 会長>      藤田 俊英 (04/01/26)





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