コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.491

◎東京シティロードレースのボランティアアンケート結果です その3
〜ボストンのホプキントン、ランナーもボランティアも衣食住足って礼節を知る〜
 それで、ボストンマラソンのスクールバスを思い出しました。ボストンでは参加ランナーはスタート地点のホプキントンの丘までボンネット型のスクールバスで移動します。この日は学校は州の祭日で休みですから、普段は生徒を送迎しているボランティアの運転手がランナーを乗せて運転します。運転手の方々は退役した男女です。

 ボストンマラソンの日はいつもと違う乗客を乗せて、マラソンの開催運営をサポートする訳です。普段は児童教育支援の運転手ボランティアですが、この日はランナーのための運転です。ランナー、スポーツマンのためですから、スポーツボランティアと言えます。そして、彼らのボランティアサービスの受給者は全世界から集まった市民ランナーたち、自前の時間と金を叩いてボストンまで馳せ参じる「ゆとりある市民たち」です。

 そこで、疑問が湧いてきます。この「ゆとりある市民たち」は何を楽しみに、何を目的にボストンまでやってくるか、です。市民ランナーですから、完走しても表彰や賞品にはほど遠い、それどころか途中で走れなく可能性も多くあります。ランニングが好きだ、と言えばそれまでですが、他になんかありそうです。観光?そうですね、私の場合、観光はボストンマラソン参加の大きな要素でした。

 ホプキントンに着きますと、あるハイスクールの敷地がスタートまでの待機場所となっています。多くのボランティアがいろいろな役割のスタッフに扮しているのを見かけますが、感じることはボランティアが役割を楽しんでいる、ことです。このホプキントンにいる多くのランナーもボランティアも、食うに困っている人はいない、むしろ衣食住足って礼節を知る人々だと言うことです。

 <千客万来の日本スポーツ・ボランティアソシエーション>  藤田 俊英 (02/06/29)





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