コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.488

◎新撰組の副長、土方歳三は法人再生請負コンサルタントでした その9
〜新撰組は幕府再生を果たせず、長州の奇兵隊は倒幕を果たしました〜
 芹沢の資金調達はまあまあの成果を得ました。官費的な資金として会津藩から、民間資本の大坂商人、鴻池屋から献金が来ました。歳三が見立てたように、3人の局長はそれぞれの任務を遂行し、期待した成果を上げました。その結果、芹沢派は相変わらず5人のままでしたが、近藤派は8人から百名近い大派閥に拡大し、しかも潤沢な活動資金を手にしていました。

 その後は、芹沢派は新見錦が切腹、続いて芹沢鴨が惨殺されます。いずれも、近藤派の仕業で歳三のシナリオ通りの展開になります。3人局長の内、近藤1人が残りました。江戸の小石川柳町で食いっぱぐれた田舎剣術流派の天然理新流が、京の巷で誠の旗を掲げて大道を闊歩します。

 最近、幕末がブームだそうです。女性コミック、月刊flowersに連載中の「風光る」の新撰組隊士は可愛い美形剣士が登場していますね。このトレンドの要因はいろいろ考えられますが、やはり、今日の日本が徳川幕末社会に酷似しているのでしょう。そう言えば、今の小泉首相は最初は織田信長と形容されていましたが、最近はまるで徳川慶喜だと評価が低迷しています。慶喜のあだ名は「二心様」、云うことがコロコロ変わる15代将軍でした。

 文久3年3月に新撰組が設立、3ヶ月後の6月には長州で奇兵隊が創設されています。高杉晋作が創設者ですよね。新撰組も奇兵隊も「義勇兵」、スポーツボランティアですが、その歴史的な影響は月とすっぽん、ですね。徳川幕府の再生請負人、土方歳三は結局、幕府再生を叶える事はできませんでした。奇兵隊は、市民の倒幕ボランティアの先駆けとなって、多くの類似ボランティアを輩出させました。

 やはり、ボランティアの世界は類似ボランティアを沢山作った集団が歴史に残る、という教訓ですね。

 <千客万来の日本スポーツ・ボランティアソシエーション>  藤田 俊英 (02/06/16)





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