コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.479

◎東京シティロードレース2002、開催へのカウントダウン その7
〜15歳の普通の車椅子に載ったランナー、雅樹君を先頭に赤シャツがゴール〜
 一夜開けて、昨日の興奮が消えました。今朝の東京新聞は東京シティロードレース一色、と言った感じのようです。さあ、昨日の続きを紹介しましょう。

 9時前には、現地8キロ地点から9キロ地点に3名づつ10グループの配置が終わりました。この外苑東通りには東京陸協系列で妙正寺ジョギングクラブが115名のコース沿道整理員を通りの両側に配列しています。他に、要所要所の横断歩道、脇道からの出入り口には四谷警察署員が襟を正しています。そういう中で、障害者ランナーと伴走者に声援を送るだけのスポーツボランティアが真っ赤なTシャツを来て立っているのが、やたらと目立ちますね。

 8キロ関門を固める東京陸協の制服役員さんたちに、一応の挨拶を済ませました。反応は良かったですね。東京陸協の役員と沿道整理員、それに四谷署員まで、我々スポーツボランティアのコース沿道係の役割が知れ渡っていました。さすがに、縦社会の組織の凄さですね。この赤シャツの連中は今までにないコース沿道での役割を演じるそうだ、一つじっくり働きぶりを見てやろう、そんな感じを受けました。

 車椅子のトップ走者、一般ランナーのトップが通過して、目の前をドンドンとランナーの大河が流れていきます。その中に障害者ランナーと伴走者を見つけては、名簿で名前を確認して声援を送り続けます。予行演習の効果は予想以上のようです。10時半を過ぎて流れが止まります。8キロ関門の閉鎖時刻は10時59分、これに5分ほど遅れて、普通の車椅子に載った15歳の澤井雅樹くんが歩道を進んで来ます。関門担当の陸協役員が「まだ行くのか?」と尋ねます。雅樹君が頷きます。役員がナンバーカードをはずし、私たちボランティアコース沿道係に雅樹君を預けました。この当たりは実行委員会の会議の確認事項で、実に見事に役割が移行されました。関門から雅樹君を先頭に赤シャツボランティア全員が歩道を伝って、国立競技場のトラックに入り、約1週して何もないゴール地点にゴールを果たしました。メインスタンドから大きな拍手が降りてきました。多少、瞼が熱くなるシーンを演出できました。

 <千客万来の日本スポーツ・ボランティアソシエーション>  藤田 俊英 (02/05/20)





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