コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.374

21世紀のロードイベントはRUN&WAKLが先駆けます 第10幕
〜千客万来の世界都市・東京をめざす、の<千客万来>を英訳を紹介しました〜
 日本ウォーキング学会の学会学術機関誌「ウォ−キング科学」に投稿したタイトルが「市民ランナーからの考察:ウォーキングとランニングの混在する歩走イベントが日本の都市観光産業の推進に寄与する」の「千客万来の世界都市・東京をめざす」編せす。最近の報道によると、丸の内近辺がやっとこさ、千客万来に向かって進み始めたようです。2008五輪が決定した北京はとうの昔に始めています。北京の千客万来なお手本はニューヨークです。

3.千客万来の世界都市、東京をめざして

 石原知事は今後の東京都のあるべき姿としてニューヨーク市などの都市政策を参考にして、00年12月に新しく『東京構想2000』を策定した。この構想にはサブタイトル『千客万来の世界都市をめざして』が冠されていて、“千客万来”という目新しい観光産業、客商売用語が石原知事の今後の東京都政にかける意気込みを端的に表現している。

 東京都によると「千客万来の世界都市」の英訳は“a global city that attracts a great number of residents & visitors”である。要は、多数の居住者と来訪者を魅了し続ける世界都市のことである。今日の東京は、確かに政治経済、芸術文化などの面で日本を代表する都市であるが、海外から一般の市民がわざわざ来訪するまでの魅力はない。

 ロンドン、パリ、ニューヨークは海外からの来訪者を年間1千万人以上集客しているが、東京は 250万人にすぎない。その理由は、物価が高い、言葉が不自由、空港が不備などと言われているが、一般ランナーの立場から見ると、ニーヨーク・シティマラソンのような一般市民が大都心の目抜き通りを走れる市民マラソンがないからである。今日、日本以外の多くの先進諸国では、その国を代表する都市では市民マラソンが開催されている。

 たとえば、競技ランナーだけが参加できた中国の北京マラソンは、98年10月から北京国際市民マラソンと様相を一変し、一般ランナーにも門戸を開放した。北京市は今後の都市政策として都市観光産業の育成を掲げ、全世界の一般ランナーを集客対象とした市民マラソンの開催に踏み切った。開催時に沿道観衆の整理にあたる人民解放軍は、ニーヨーク・シティマラソンに調査団を派遣して3万人の一般ランナーと200万人の観衆を魅了する術を学んだ。北京市の魅力を端的に表現できるのが北京国際市民マラソンなのである。

 <東京シティマラソンを実践する東京ロードランナーズクラブ>  藤田 俊英 (01/08/11)





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