コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.360

「子どもが遊ぶ川づくり」、これからの河川整備は河童駆け 第5幕
 小泉政府の都市再生本部が6月に発表した「都市再生プロジェクト」は道路と鉄道と国有地再開発に関するプロジェクトが目白押しなんですが、河川整備に関するものが二つあります。<持続発展可能な社会の構築>の項目に東京都心部の「日本橋川」と「渋谷川」の自然回帰が掲げられています。両方の川は首都高速の高架が覆い被さって、川の風情とかが全く感じられない現況です。

 今では懐かしい話になってしまいましたが、産業振興ビジョンのチャレンジ・プロジェクト提案138番目に<ビットバレーの地に渋谷川の面影を活かした「都市観光」拠点の創造>を提案しています。かれこれ2年前のことですので、忘れかけていましたが、インターネットでこの提案を身かけた方からメールが飛び込んで来ました。渋谷川のビオトープ計画を・・・しているそうです。

 現在の渋谷川は渋谷駅のすぐ南から顔を見せていますが、そこから上流は全て暗渠化されています。渋谷川の本流は宮下公園から裏原宿に向かうキャットストリートを遡ります。東急インあたりから支流の宇田川が小田急の代々木八幡駅方向に向かっています。代々木八幡駅からさらに2本に分かれた1本が河骨川で、小田急線路の東脇を参宮橋方面に上って行きますが、その途中に有名な「小学唱歌・春の小川」の記念碑がポツネンと建っています。

 この当たりは私の十年来のジョギングコースの一部でして、昔の写真を見ると川幅2m位の小川がセセラギっと流れていました。それが、力尽くで蓋を架けられたのが東京オリンピックの前の昭和三十年代半ばでした。臭い物には蓋をせよ、そんな軽い気持ちだったんでしょうね。サラサラっと流れていた春の小川は道路の下の真っ暗がりに閉じこめられてしまいました。河童どころの話ではありませんね。

 <日本の少子対策を実践する東京ロードランナーズクラブ>  藤田 俊英 (01/07/15)





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