コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.333

本州横断・敦賀〜桑名・地域連携ウルトラ・ランを開催します 第2幕
〜昨日のヘリ・小型機の空中衝突事故の近くがゴール前の2キロ地点です〜
 事故の報道に驚きました。桑名にいると、よく走りに行く途中です。今朝の朝刊によりますと、今回のウルトラ・ランの関ヶ原から後半は高度900mまでの訓練空域との事です。では、地域連携ウルトラ・ランの開催趣旨をご披露します。

§1 開催趣旨

 慶長六年一月、関ケ原の合戦の覇者である家康は、東海道に伝馬制を布いた。西暦2001年1月は、それから丁度400年が経過したことになる。その東海道五十三次の街道の中で、<海上七里>と呼ばれた唯一の海路が、桑名と熱田の宮の間で賑わっていた。桑名の宿場は、海路と陸路の接点である渡し場を持つ交易の要所としても、また揖斐川河口にそびえる桑名城を持つ城下町としても繁栄を誇っていた。

 21世紀を間近にして、新しい街づくりの概念である<都市観光>を標榜する都市が日本にも登場している。アジアとの交流にかける福岡市、ユニーバーサルスタジオ・ジャパンが来春に開業する大阪市、MM21や幕張メッセで国際コンベンション都市を目指す横浜市や千葉市、石原知事になってやっと観光産業育成を重点施策に掲げた東京都などである。しかし、<都市観光>はこのような大都市だけに適合する街づくりの概念ではない。

 <都市観光>とは、「都市の魅力を高め、外国人ビジターを含めた交流人口の増加を促進することが都市の活性化に繋がる」と考えて、新しい都市産業を育成、振興する政策を言う。今日の<都市観光>は、従来の名所旧跡を観ることのみならず、<産業経済>の視察、<芸術文化>の鑑賞、<最新アミューズメント施設>の娯楽、<商業施設>での買物、<飲食街>でのグルメ探究、<居住者>と交流等々の複合的で多様な都市の魅力を楽しむことに加え、都市が有するインフラを活用して開催される多種の国際会議、イベント、展覧会等々を含む広汎、多岐にわたるものである。

 桑名の宿は東海道と言う東西の街道以外に、南北方向の交易の起点でもあった。揖斐川水系を水路で逆上って、西美濃の大垣に至ると中山道が東西に通じる。西に進むと、関ヶ原を経て琵琶湖畔に到達する。この当たりには、姉川古戦場、小谷城跡、賎ケ岳古戦場等々の戦国時代の強者どもの夢の跡が点在している。さらに塩津街道に出て深坂峠を越えると越前若狭は敦賀の気比の松原に至る。

 昭和三十年代、このルートに沿って太平洋の伊勢湾から日本海の若狭湾まで繋がる本州横断運河構想が話題に登っていたが、いつの間にか立ち消えた。20世紀がゴールを迎える昨今、IT革命が話題に登らない日がない。400年以上前、肉体強者なる男たちが戦国乱世の覇権を争った縁の地を巡りながら、日本海は若狭湾の砂浜から太平洋は伊勢湾の渡し場まで百二十`、戦国の足軽雑兵を髣髴させるランニング姿で踏破するイベントの実施を提唱します。そのイベント名を<KNOT・新戦国女街道・脛自慢>と名付けます。

 通過する敦賀、長浜、大垣、桑名のローマ字頭文字を並べると、英単語の<KNOT>となって、<連携、結び、絆>の意味を持ちます。活用するインフラは、国道8号、国道 365号、伊吹山麓広域農道、国道21号、国道 258号、揖斐川右岸堤防道路等々です。新しい千年紀、4県(福井、滋賀、岐阜、三重)、3地方(北陸、近畿、東海)、4水域(若狭湾、琵琶湖、揖斐川、伊勢湾)を<連携、結び、絆>する<KNOT・新戦国女街道・・脛自慢>は、敦賀、長浜、大垣、桑名の4都市の今後の都市観光に一石を投じます。

 <日本の集客都市化を実践する東京ロードランナーズクラブ>  藤田 俊英 (01/05/20)





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