コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.303

◎24時間走り、東京学芸大学は季節はずれの雪が〜降ってる〜 第2景
〜桜並木に粉雪が舞う、東京学芸大学は50周回を越えて傘と歩き始める〜
 1週1.1キロを7分位で周回するたびに、テントの中から声が掛かります。「藤田さん、5周完了、6周目です」、これが励みになります。それと、飲み物と軽食の振る舞いですね。3週毎に飲み物、6週毎に軽食を腹に入れて周回を重ねますが、雪が止みません。ボタン雪になったり、粉雪になったり、おまけに冷たい北風が吹き抜けます。頭と胴体は無事ですが、腕と脚が寒さでシビれてきます。特に、手袋がぐっしょり濡れぱなしで、掌が凍傷気味になってきます。

 4時間経過の12時です。周回方向が左周りから右周りに変わります。8時頃から、陸上競技部が練習していて、時折もの凄い早さで追い抜いていきます。部長の有吉先生もエッチラと走っています。ウェアをウィンドブレーカーに着替えて走り続けますが、1周8分以上のペースに落ちています。

 1人、最初から傘を指してウォーキングを続けている男性がいます。1周が11分の時速6キロペースです。尋ねると、24時間で100周を目指すそうです。ゼッケン50番の女性が、完璧なウルトラランニングの姿勢で抜いていきます。歩幅の狭いピッチ走法、腰がピンと延びて腕振りが肘から綺麗に円を描きます。これなら、200キロぐらい行くのではないでしょうか。

 20数名の参加者の中で、ナイスミドルな女性が目立ちます。ゼッケン50ほどではありませんが、皆さん軽いピッチ走法、狭い歩幅、力強い腕振りが特徴です。それに比べると男性の方は、かなりバラバラのフォームが目立ちます。いろいろ尋ねると、24時間ではなく10時間ぐらいで引き上げるとか言っています。

 50周を越え、手袋を脱いで素手で傘を指してのウォーキングに切り替えました。掌の甲の部分が凍傷で赤くむくんでいます。指の付け根が普段の倍ぐらいに膨らんでいます。体力と気力は充実していますから、なんとか歩き通して110周の120キロを目指すことにしました。

 <東京ロードランナーズクラブ> 街づくりランニング商会  藤田 俊英 (01/04/03)





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