コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.234

◎ワイキキ海浜、観光プロムナードを道楽衆がCIVIC駆け 第10幕
〜常夏のリゾート、沈められた戦艦アリゾナと航空母艦赤城がペア模型〜
マラソンの翌朝は、ホテルの前のバス停から47番のバスに乗って、パールハーバーにあるアリゾナ・メモリアルに出向きます。冷房が思い切り効いたバスでユックリと1時間くらい、パール・ハーバーが見渡せるバス停でゾロゾと観光客が降ります。この施設は、米国国立公園課の管轄ですから、なぜか入場無料です。受け付けで番号札を受け取ります。10番でした。この番号順でまずは、記録映画を見せられるのですが、あと1時間ほど待つようです。

待ち時間でギャラリーや土産物屋を覗きます。チラホラっと、例のレンガ色の完走Tシャツをお召しの方々がいます。戦艦アリゾナの誕生から爆撃されて沈むまでの歴史をギャラリーで垣間見ます。1914年にニューヨークのブルックリンの米国海軍造船所で建造されています。建造早々に、ブルックリン大橋をくぐっている白黒写真が飾られています。当然、アリゾナの艦船模型も展示されています。

 日本人にとっては、なぜかここに展示されている帝国海軍連合艦隊の航空母艦<赤城>の艦船模型に胸が詰まりますね。米国にしてみれば、真珠湾の奇襲攻撃で沈められっぱなしのアリゾナだけでなく、その後のミッドウェーで沈め返した赤城を、せめて模型でも良いから見せたいのでしょうね。気持ちは良くわかります。それにしても、全長が4mくらいでしょうか、赤城の模型はすばらしい。

 記録映画を見せられます。時折、当時のハワイの様子が映ります。軍港としてのパールハーバーの立派さやワイキキビーチでくつろぐ米国海軍の兵隊さんの楽しそうな姿が映ります。ビーチに沿うビルの姿は、今と比べると大したものではありませんが、当時の土木技術の粋を集めて造った人工海浜は、今と全然変わっていません。大した物です。太平洋戦争前に作られた観光土木インフラが、未だに昔よりも増して、世界中から観光客を引きつける。土木構造物冥利に尽きます。

 そんな米国の人工海浜のソックリさんが東京臨海副都心のお台場海浜公園でしょうか。今や、東京ベイエリアの中心となって、見物客がゾクゾクと詰めかけています。水際に沿ったプロムナードは、走ってみるとなかなか楽しい物です。何年か先、この当たりがフィニッシュになるようなマラソン、ランニングイベントが開催されて、世界中からランナーが殺到する、そんなTOKYOになって欲しいですね。

 <常夏のホノルルで走り屋・道楽衆> 街づくりランニング商会 藤田 俊英 (00/12/29)




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