コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.215

第31回NYシティマラソン、町づくるランニングレポート 第18幕
 11月6日は月曜日、午前8時に地下鉄ブロードウェイ50番駅から1番地下鉄に乗って、ブロードウェイ168番駅で降ります。それにしてもNYの地下鉄は地上から浅い所を走っていますね。地下鉄の天井のすぐ上が道路という感じで、階段の上がり下がりが楽ですね。ただ、乗車1回分の1$50のトークンを買うのに、暇が掛かります。無愛想なトークン売りが、ゆっくりと対応しています。

 駅から東に向かってハーレム川を目指します。この当たりは、マンハッタンの北部で摩天楼とはほど遠い町並みが続いています。155St.に出て、ヤンキースタジアムに繋がるMacombs Dam Bridgeを渡ります。百年位前に架けた橋を修理中です。橋の真ん中ほどでハーレム川を見渡しますと、何となく隅田川らしい風情を感じました。スタジアムは、ワールドシリーズの熱気も冷めてシーンとしています。近づくほどに、不気味さが増してきます。

 下流に向かい145St.Bridgeに辿り着きます。昨日のレースでMadison Ave.Bridgeを渡ったとき、右手に見えた旋回橋です。<American Bridge Company of New-York USA 1904年製造>との銘板が張り付いていました。これと全く同じものを東京山手線の恵比寿駅界隈で見かけました。駅からガーデンプレイスに向かう通路を出たところ、ちょい右にある線路を跨ぐのが、<アメリカ橋>と言われていた橋です。今は2代目が掛かっていますが、初代の<アメリカ橋>の銘板が、今でもガーデンプレイスの入り口付近に張ってあります。

 山川豊さんのヒット曲<アメリカ橋>の歌声が聞こえてきます。「風が足もとを通り過ぎて行く/久しぶりだねと、照れて笑いあって/アメリカ橋のたもと、ふと通うぬくもり/やるせない恋い 埋めた街/・・/石だたみ石だたみ 想い出続く/いつかいつか 熱かった青春」、もっともNYのハーレム川の古めいたアメリカ橋には、山川さんが歌い込んだ艶っぽさの欠片もありません。

 午前中は、ハーレム川のアメリカ橋を取材して、午後はセントラルパークで昼寝を決め込みました。ストロベリー・フィールズのベンチで、ペットボトルからワイルドターキー8年物をチビリチビリとやりながら、ジョン・レノンさんのイマジンのモザイクには悪いですが、NY酔いを楽しみました。

 < NYマンハッタンを走り屋道楽衆 街づくりランニング商会 藤田 俊英> (00/11/23)




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