コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.212

第31回NYシティマラソン、町づくるランニングレポート 第15幕
 11月5日は日曜日、午後2時過ぎにブロンクスに入ります。暗くなると大変物騒な所と聞いています。30キロを過ぎて、脚に来ています。道路の舗装が堅くて、痛みも激しい箇所が多いですね。ハーレム川に架かる橋を2本渡りますが、百年近く前に架かった時代物の鉄橋です。旋回橋と言って、大きな船が来た時は、橋の真ん中を中心に水辺面内に旋回して、船を通した過去が偲ばれる形式です。

 再びマンハッタンに戻って21マイル地点です。給水ポイントで袋からバームを出して、水で溶いて一気に飲み込みます。5番Ave.を南にセントラルパークを目指します。35キロ地点にマーカスガーベイ記念公園なる400m真四角な公園にぶつかって、かすめて行きます。あと7キロですが、セントラルの中の公園内道路が結構なアップダウンで油断ができません。

 E102st.からパーク内に入ります。紅葉が盛りと聞きますが、日本の紅葉と比べると赤みが足りません。とか思っているうちにメトロポリタン美術館の裏手を過ぎて40キロ地点です。沿道の観客も興奮しています。スタートして4時間が経過、59st.に出て、パークの南側に沿って、コロンブスサークルから再度、パークに入って、感動のゴールへと突入します。.事前に、ゴールの時はカメラ視線を意識して、ニコっと笑うようにと言われた通りのゴールでした。

 ここからも、NYCマラソンの醍醐味が続きます。左脚シューズに取り付けていたタイム計測チップを返して、ズシっとした完走メダルを受け取って、ゾロゾロと前へ前へ進みます。畳一畳ぐらいな銀色の極薄シートを体に巻き付けます。これが肌に張り付いて、風を防ぎますから結構暖かくなります。目指すのは、預けた荷物を積んでいるバスです。バスの前でナンバーカードを見せて、ビニール袋を受け取ります。

 < NYマンハッタンを走り屋道楽衆 街づくりランニング商会 藤田 俊英> (00/11/20)




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