コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.211

第31回NYシティマラソン、町づくるランニングレポート 第14幕
 11月5日は日曜日、正午頃にNYCマラソンの中間地点を越えます。丁度、プラスキー橋という全長1キロ位の橋の真ん中です。下を流れるのがNYクリークです。渡り終えて、クイーンズ区に入りますが、ここからクイーンズボロー大橋までがジグザグコースとなります。14マイル地点付近のエイドステーションで、立ち止まってビスケットとバナナを受け取り、バーム1袋を水で溶いて一緒に流し込みます。すぐ隣では、男女混成のロックバンドが喚いています。

 古色蒼然たるクイーンズボロー大橋に進みます。約2キロ続く下段道路の左側車線は日陰で、気が滅入ります。イースト川のルーズベルト島手前が25キロ地点、橋の部材の隙間から、マンハッタンの摩天楼群が見通せます。下り勾配になって1st Aveの頭上を渡り、左回りで180度旋回して1st Aveに入ります。ここからまっすぐ北に向かって4マイル間が、NYCマラソンの楽しい区間です。両側には観客が十重二十重に群がって、声援を送っています。ダダっぴろい道路がランナーだけに解放されています。

.  障害者ランナーたちがもの凄い声援を浴びてます。介添えの方々も、単に走りを支えるといったものでなく、いかに沿道観客にアピールするかを競っています。ですから、上手な介添えの方のパフォーマンスに観客が応え、その声援が障害者を支えて前に進ませる、こういう法則がなりたっています。これがまた、一般ランナーにもプレッシャーを与えて、前に進んでしまうようになっています。

 1マイル毎に給水ポイントがありますが、紙コップの使い捨てと残り水が路上を覆っていて、滑りやすく危険です。介添の方々もこれには閉口しています。お揃いの防寒コート型のユニフォームを着込んだのが、ボランティアの人たちです。どうでしょう、小学校低学年程度の子供もキチンとユニフォームを着て、ランナーに給水を差し伸べています。これを羨ましそうに、そうでない子供たちが見ていますが、どうかするとそんなノンボランティアの子供も一緒になって水を差し出しています。

 20マイル地点、ハーレム川に架かるWillis Ave.橋の取り付けに近づきます。これを越えると、ブロンクス区です。

 < NYマンハッタンを走り屋道楽衆 街づくりランニング商会 藤田 俊英> (00/11/20)




前のページへ戻る