コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.210

第31回NYシティマラソン、町づくるランニングレポート 第13幕
11月5日は日曜日、午前11時前のスタッテン島のベラザナ大橋を、NYCマラソンに参加している世界中のランナーが続々と渡り始めます。緑のナンバーカードは下段道路を走ります。見晴らしが利きません。全長3千mの大橋を進むにつれて、マンハッタンの方向は左側から北風が吹き寄せます。その冷たい事、手袋をはめていない指先が、かじかんできます。足下のアスファルト舗装は、かなり痛んでいます。

 対岸のブルックリンに着くと2マイル地点、不思議な物で風を感じません。沿道には観客の姿が見え始めます。ここから8マイル地点まで、ほぼ6マイルの4番Ave.の北北東の直線が続きます。前も後ろも道路はランナーで埋まっています。名物のバンド演奏がロックを、がなり立てています。時折、2人の介添え人を連れた障害者の方を追い抜いていきます。

 ハイウェイ27をくぐる当たりが10キロ地点、50分少々とまあ順調ですね。8マイル地点を過ぎて、Lafaiette Ave.に道を変え、ツァーの写真応援団と撮影隊が待機している場所が近づいてきます。馴染みの旗が見えました。カメラの前で両手を上げてポーズを取りながら通過します。後で写真を見ると、私以外に25人のランナーが写っています。背景は<BAM Rose Cinemas>、映画館です。

 9マイル地点を越え、Bedford Ave.に入ると15キロ地点です。言い忘れていましたが、距離表示は1マイル毎と5キロ毎の併用です。この当たりが、ユダヤ人街で沿道の雰囲気が今までとまるで違っています。黒の帽子に黒の上下スーツと黒づくめの髭面の紳士が、無関心を装っています。なぜか、子供は女の子ばかりが、恥ずかしそうに沿道に鈴なっています。男の子の姿が見えませんね。立ち止まって、カメラを構えると、キャーとか言って顔を隠します。

10、11、12マイルとBedford Ave.を進む内に黒づくしは姿は消えていきます。12マイルを過ぎて、Manhattan Ave.に進路変更し20キロを迎えます。

 < NYマンハッタンを走り屋道楽衆 街づくりランニング商会 藤田 俊英> (00/11/17)




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