コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.209

第31回NYシティマラソン、町づくるランニングレポート 第12幕
 11月5日は日曜日、午前8時過ぎのスタッテン島のベラザナ大橋の袂、NYCマラソンに参加する世界中のランナーが続々と集結します。スタートまでの時間の過ごし方は各人各様ですが、日本のようにウォーミングアップに精を出すランナーの姿は多くは見かけません。私は、荷物を預けるバスや集合地点の下見を済ませ、ミノルタをぶら下げて、そこら中を取材して回っていました。

 3箇所に分かれたスタートです。ナンバーカード色が赤、青、緑の3色で区別します。緑のグループが馬鹿を見ます。スタート直後のベラザナ大橋の下段道路を走る羽目になって、上段道路を走る赤と青のグループに比べ、見晴らしが利きません。ちなみに、私は緑の1821です。緑のグループの集合場所では、障害者で競技タイプの方々が集合しています。その3輪車スタイルのマシンは、オーダイメイドの軽量ハイテク仕様です。日本人の女性が、盛んに聞き取り取材をしていました。

 10時過ぎになりますと、集合開始です。上空に横長の宣伝幕を引っ張るプロペラ飛行機やヘリコプターが5〜6機、北からの強風にヨタヨタ状態です。30分前、スタート地点への移動が始まります。押し合いへし合いで、各国語が入り乱れた興奮状況、頭の上を、今まで身につけていた寒さ対策の上着が放り投げられて飛んでいきます。足元にも、そういった衣類やビニール袋が散乱していて、気を付けていないと、滑ってしまいます。

 スタート地点に並びます。回りは外国の男の方ばっかりで、男しかできない行儀の悪い作法が展開されます。その結果が足下を伝わっています。まあ、こんな事を一々気にしていてはNYCマラソンは走れません。5分前、被っていた分厚い黒のビニールゴミ袋を脱いで、隣のオジさんに渡しますと、順々に手渡されて行きます。オジさんとニコっと微笑み合います。

 NYRRCのロスさんが大声で喚いているうちに、スタート合図の大砲が、ドゥ〜ン!と鳴ります。ウァ〜と言う歓声が上がり、3万人ランナーの行進が開始です。

 < NYマンハッタンを走り屋道楽衆 街づくりランニング商会 藤田 俊英> (00/11/17)




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