コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.208

第31回NYシティマラソン、町づくるランニングレポート 第11幕
 11月5日は日曜日、午前5時にモーニング・コールが鳴ります。地下1階のツァーデスクに顔を出し、オニギリ弁当を受け取ります。スタートは10時50分ですから、スタート地点に行ってから弁当を使うことにして、取りあえずスーパーで仕込んだ米国食で腹を満たします。ストレッチを済まし、取材用のミノルタ・スィートとサンヨー・デジカメ等を例のビニール袋に詰め込んで、いざ出陣です。

 6時30分にツァーデスクに集合して、5番街のNY公立図書館まで約1キロを徒歩で進みます。寒くないですね。吐く息が白くなりません。図書館に近づくにつれて、レースに参加するランナーの歩く姿が多くなります。大抵は上下長袖の暖かい物を着込んでいますが、中にはランパンにランシャツ、その上に着古した上着を着込むだけの方も見かけます。NYCマラソンに出場するランナーは、全員が図書館からスタート地点まで、主催者が用意するバスで移動します。

 図書館には、揃いの防寒コートを着込んだボランティアの人たちが、大型バスへ乗り込む手助けをしています。どの国のランナーに対しても愛想がよろしい、片言の挨拶言葉を話しています。太陽が上がって来ました。やはり、雨の心配はありません。バスの入り口で、ナンバーカードをボランティアに見せて、乗り込みます。前から3番目の左の内側の座席です。窓側には、米国の青年ですね。<グッドモーニング>とか言って、ニコっと笑顔です。

 5番街からハドソン川沿いのウエスト通りに出て、バッテリーパーク付近からブルクリンに渡る海底トンネルに入ります。対岸に着いて、ハイウェイを進み、前方にベラザノ大橋が優美な吊り橋姿を現します。これを渡って、橋の袂のスタート地点に着いたのが丁度8時です。今から、10時50分までの3時間弱を、この米軍施設内で待機します。退屈はしません。これもNYCマラソンの醍醐味の一つです。

 ツァー一行の待機場所に荷物を置いて、まずはモーニングコーヒーです。香ばしい臭いが立ちこめるテントに行って、パンとコーヒーを手に入れます。ステージからにぎやかな音楽が流れています。

 < NYマンハッタンを走り屋道楽衆 街づくりランニング商会 藤田 俊英> (00/11/16)




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