コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.207

第31回NYシティマラソン、町づくるランニングレポート 第10幕
 11月4日土曜日の午前9時過ぎ、ヒルトンの1415室で明日の本番の準備を済ませます。天気予報では雨の心配はありませんが、冷たい風が吹くそうです。いつもながら、レース前夜は気持ちが落ち着くんですね。マラソンの気楽さは、自分のことだけ考えていれば良い点です。団体スポーツではありませんので、他人を気にする必要はありません。

 Tシャツとランパンで走ることに決めます。Tシャツにナンバーカード「1821」を安全ピンで取り付け、ランナー専用のウエストバッグに500ccのペットボトル、27枚取りレンズ着きフィルム2個、高木ブーでおなじみのバーム粉末4袋を詰め込みます。ランニングシューズ、ランニングソックス、ワセリン、バンドエイド、三井ツァーのキャップ・・とレース必需品を揃えます。

 成田の免税店で買った「ワイルドターキー8年物、53度」の水割りをグビっとあおります。バーボン独特の甘みがたまりませんね。相部屋の佐々木さんは、早くも寝込んでいます。窓の外の6番街からパトカーのサイレンが鳴っています。スタート地点で荷物を入れてバスに預けるビニール袋に目が止まります。オフィシャルスポンサーのUPSと言うeビジネス会社が、「FROM VIRTUAL TO PHYSICAL」なるメッセージを刷り込んでいます。

 さすが、NYですね。あえて、日本語に訳すと、「VIRTUALなビジネスでたんまり儲けて、PHYSICALに体を動かそうぜ」とでもなりますか。これが、日本の東京ですと、「FROM VIRTUAL TO MENTAL」となって、「VIRTUALなビジネスでたんまり儲けて、MENTALに頭を使おうぜ」となって、ブクブクとしたインテリ肥満体が出来上がります。悪態はここまで、さあ〜寝ましょうか。

 < NYマンハッタンを走り屋道楽衆 街づくりランニング商会 藤田 俊英> (00/11/13)




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