コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.204

第31回NYシティマラソン、町づくるランニングレポート 第7幕
 11月4日土曜日、午前7時にツァーデスクに集合します。イースト川に面した国連本部の広場までバスに乗って参上します。途中、信号で止まるたびに、各国のランナーたちが、同じ方向に向かうのを目にします。広場脇の1番街でバスを降ります。降りた途端、周りをオランダのランナーがウアっと取り囲みます。橙色のユニフォーム、頭にビニール製の空気帽子を被り、プラスチック製の笛をピーピー吹いて、そらもう五月蠅い連中ですよ。

 日本人ランナーは国連ビルに向かって一番右側に、縦長に並びます。ザっと4百人くらいでしょうか。我々のツァーのご一行は、地味な姿ですが、よそのツァーとなるとその姿のド派手なこと。色とりどりの浴衣、法被、半纏を纏い、日の丸の鉢巻きをしめ、絞りの手ぬぐいで鉢巻きした老若男女が、各国ランナーから盛んな人気で、記念写真に引っ張りだこです。黒の長袖のTシャツに黒のロングタイツをピチっ身につけた上に白の裃を纏ったご一行もいます。どうかするとチョンマゲのカツラを被っています。

 8時から歓迎セレモニーが始まります。壇上にNYロードランナーズクラブのロス氏が十カ国語を操る怪しげな司会をご披露しています。この方が、来年3月20日に代々木の青少年センターで開催されるランニング学会大会で招待されて基調講演をする予定になっています。なかなかの役者振りですよ。

 空は快晴、ヘリコプターが2機飛んでいます。100カ国1万人の市民ランナーがセントラルパークまでの約6キロのファンランをパフォーマンスします。これだけを楽しんでも、NYに来た甲斐があるというものです。選手だけでなく、応援団も出場しています。走るなんて考えていません、はなから歩くつもりです。ゆっくり時間をかけて、たどり着いた方が値打ちがある、そんな国際フレンドシップランが、いよいよ始まります。

 < NYマンハッタンを走り屋道楽衆 街づくりランニング商会 藤田 俊英> (00/11/12)




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