コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.189

30年後の日本、高齢団塊レディーがエアロビクスインフラ その5
 ランニングな視点から<21世紀の町づくり>をプロジェクティブに提案する<走り屋・道楽衆>に走談がまいりました。今話題の建設経営コンサルタントが発行している月刊誌10ページを<お任せします>との依頼です。人口減少下の社会基盤施設整備を真っ正面から取り上げる事にしました。走談家の藤田と東海大学教授の宇佐美先生と東京学芸大学の渡辺先生の3人組で<お引き受け>します。

 30年後の日本、団塊男子のほとんどは三途の川を渡っています。後に残る団塊女性は夫の遺産と国家の年金で、<生活の糧>には何の不自由もありません。生き甲斐は、<いつまでも自分の足で歩いて、自分の手でモノを掴み>、元気で健康で綺麗な生活を死ぬまで送ること。ほとんどの女性が、この生き甲斐のために25年前から、密やかに美しくエアロビクスなエクササイズを楽しく実行してきました。一方、男はそんな事は全く無頓着でした。

 森総理がひたすら邁進した大容量光ファイバーケーブルが全国ご家庭の茶の間にやってきました。これが全国の子育てが終わった有閑な団塊女性にアっと云う間に広がり、<井戸端会議>ならぬ<IT端会議>が全国規模で立ち上がりました。<ね〜奥さん、最近綺麗にならはったんとちゃう〜>、<せやろか〜、この3ヶ月ばかし〜、スポーツクラブでエアロと筋トレをやってんのが、ええみたいやわ〜>・・とこんなITチャットが全国を駆け巡ります。

 エアロビクスのスタジオで我が身が間違いなく、シェイプアップしたと確認した女性の次の行動は皆同じです。人の目にもっと触れられる戸外の公道で走る運動表現を通じて、我がボディの素晴らしさを見せるようになります。そうなると、今の日本の道路、公園、河川敷・・は、いささか役不足です。道路はクルマのため、公園は子供と高齢者のため、河川敷は洪水を防いで・・と云う原則論が立ちはだかります。

 それでも世の中、数の多さはパワーです。団塊レディースのエアロビクス指向に気付いた地方建設業者の若手経営者たちが、自分たちの新しいマーケットとして団塊女性を標的とし始めます。大きなダムを作るとか、長い橋を架けるとか金の掛かる建設ネタではありませんが、<いつまでも自分の足で歩いて、自分の手でモノを掴み>、元気で健康で綺麗な生活を死ぬまで送る団塊女性の願いが建設新規マーケットを創出します。

 < 人口減少下の都市インフラ走談家 街づくりランニング商会 藤田 俊英> (00/10/07)




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