コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.185

30年後の日本、高齢団塊レディーがエアロビクスインフラ その1
 昨日25日、都庁30階に7/21のシンポジウム開催準備でお世話になった原さんを訪ねまして、その後の経過報告をしました。帰り際に本屋を覗くと、<産業振興ビジョン>が天然色刷りで一般販売されていました。値段は千三百円程度、表紙にデカデカと<東京再生!>が掲げられ、水平線から金色の朝日が東照大権現な姿で燦々たる陽光を浴びせています。<夢を現実に・・・ゼロからの出発>

 話は一転します。土木学会誌9月号は、特集2で<個性豊かな地域づくりビジョン〜豊かさを実感できる社会の創造に向けて〜>を掲載中です。あまり一般社会には知られていない紙面ですが、チョイト気になるキーワードが登場しています。東京都産業振興ビジョンでは一言も触れていない怖い現実を直視した<日本の人口問題>ですよ。少子高齢社会でも、平均年齢が向上しているうちは良かった。ついに平均年齢が延びなくなって、人口が減り始めます。2003年か2004年頃から、平均して1年間に約80万人と云います。

 学会誌では、高知工科大学の岡本副学長と建設省の青山技監が<人口減少>を前提とした<21世紀の土木像>の問題提起をされています。一方、<建設崩壊>をプレジデント社から出版してベストセラーに輝いた山崎裕司氏の近刊、<全社一丸>でも人口減少を正面から取り扱っています。2003年頃に1億2700万人のピークを迎えて、後は1年間に80万人のスピードで減る一方となります。

 私の場合、こう云った数字を頭にすると、それを男女間の艶話で考える癖があります。ご存じのように最新の平均寿命は、女84歳に男77歳です。7歳も女は男より長生きします。そろそろ平均寿命の延びは壁に突き当たっていますから、今の団塊世代50歳〜53歳が30年経って、80歳〜83歳になると、平均して団塊世代の男は皆鬼門に入り、平均して団塊の世代の女は自由奔放な高齢時代を謳歌しています。

 二十歳以上に絶対的に与えられる選挙権数の割合が、高齢者&女性側にシフトしています。それでもって、IT社会が成熟していますから、ネットを利用した高齢女性のチャットな井戸端会議が日本の中央と地方の議会を押さえ込んでいます。総理大臣から都道府県の首長は全て女性が占めています。論より証拠、今の原宿渋谷近辺の若いカップルを見ればわかります。男が女々しく、女が男々しい。

 こんな30年後の、社会基盤施設は何か。街づくりランニング商会の藤田が以後、走談いたしましょう。

 < 人口減少下の都市インフラ走談家 街づくりランニング商会 藤田 俊英> (00/09/26)




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