コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.121

サロマ湖のウルトラ100キロ、<ヒマワリ大作戦>な32人駆け(8)−当日6報−
 大きなホタテが6枚入りの丼をペロっと平らげて、明走会の仲間が集まっている場所へ行きます。ここで、何方が途中リタイアしたかが明確になりました。午後5時を回り、残り1時間でゴールが閉鎖されます。高校生のブラスバンドがしきりに威勢の良い音楽を掻き鳴らしています。この地点からゴールに向かって来るランナーは、丁度西日を背中に真後ろから浴びています。グリコの宣伝の1粒400mと黄金色の阿弥陀仏が合わさった光景ですね。

 仲間のランナーが時折やって来ます。さすがに嬉しそうな顔をしています。ラスト100mのゴールの演出も様々です。幼子を肩に乗せてから夫婦ともども駆け込む家族、クラブかなんかの旗を首に巻き付けるオジさん、応援団を数人引き連れた娘さんランナー・・、このゴールの体育表現のために100キロを延々と駆けてきた、そんな感じです。私なんか、ごく普通のつまらないゴールの仕方でした、反省しました。

 残り10分、あと1人の仲間が向かっているようです。13時間の制限以内にゴールするかしないかで、天国と地獄ほどの差が付きます。ゴール付近のザワメキが増してきました。ゴールに近づくランナーにもの凄い声援が飛びます。あと5分、ランナーがとぎれています。西日の方向にランナーの姿が浮かびません。

 あと3分、声援の波が西日の彼方から押し寄せて来ました。明走会です。マッ黄色のTシャツが大股で飛んで来ます。チームの最速ランナーの男女が、後方から怒鳴りまくって嗾けています。早い早い、何とか制限時間内のギリギリで多数の観客を興奮させながらゴールしました。18時、競技終了です。

 同じ敷地のスポーツセンターで、さよならパ−ティが6時20分から始まります。センターの中の準備が完璧ですね。ランナーが走って来たシューズのまま上がり込んで、車座に座って酒盛れるよう、ビッシリとブルーシートが敷き詰められています。会場の熱気は、乾杯が始まっていないのに高ぶっています。テーブルの上に、オホーツクの珍味がドバ〜っと盛り飾られてます。タラバ蟹なんでしょうか、長さ50cmで直径5cmの甘そうな脚が、いい香りを放っています。

 <さよならパーティ、サロマ湖100キロウルトラン 走談家 藤田 俊英> (00/07/02)




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