コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.118

サロマ湖のウルトラ100キロ、<ヒマワリ大作戦>な32人駆け(5)−当日3報−
 42キロをちょいと越えてからがウルトラ走りの領域です。明走会の応援隊が陣取っています。岡田応援団長に「良いペース!」と言われた途端に、この先の不安が頭を過ぎります。3月、4月、5月とあまり走り込んでいません。左の腸頚靱帯が一人前にストライキをしでかしまして、5月の連休明けからやっとこさで、まあまあ走れるようになりました。明走会のヒマワリ大作戦の仕上げは、皇居周り7時間走りでした。5月20日の土曜日、小雨の肌寒い天気の中を9時に出走でした。遅れて参加したので、9周回の45キロしか走れませんでした。

 その45キロを過ぎると、国道238号は湖岸から離れて適度なアップダウンを繰り返します。これが脚に堪えて来ます。5時にスタートして5時間経過、午前10時に中間地点50キロを越えます。55キロ手前のレストステーションは海抜20m程度、大した登り坂ではありませんが、走りが鈍ってきます。ホタテごはん握りは美味な口当たり、思わず数個を頬ばります。ウォーターチャージャーをゴクっと飲み干します。男子高校生がスタート地点で自衛隊に預けた赤色のビニール袋を持ってきますが、着替える気もなく、「いらない」と告げて先を急ぎます。

 気は急いでいますが、60キロ手前の海抜40mな坂の頂上まで、走りっぱなしでは先が続かないと、1キロのウォークと4キロのランを併用した進み方に切り替えます。取りあえず75キロ地点で振る舞われる<お汁粉>の甘みを楽しみに、ペースダウンもやむを得ずと我が身に言い聞かします。ヘトっとして、歩いていますと後ろから来たランナーが、シャッターを押してくれとのこと。確かに絶品の景色が広がっています。雲一つないオホーツク晴れに、サロマンブルーな湖面が冴えています。気温は30度近いんじゃ〜ありませんか。ついでに、私もスナップとお相伴です。

 低い湿度に、強くなって来た風が体中からドンドン水分を蒸発させます。エイドステーションの給水カップに氷の欠片が詰まっています。その氷を頭に乗せてキャップを被ります。ポリバケツの氷水を頭にブっかけるランナーが増えてきます。この先、もっと暑くなりそうです。泣きそうになった60キロ過ぎ、国道から魔女の森にコース変更です。木陰が続いて多少の元気が蘇ります。

 いつまでも魔女さんはつき合いません。63キロ位からサンゴ草の群生地で有名なキムアネップ岬をグルっと巡る湖畔道へと進みます。あたり一面はマッ白気の灼熱模様、正午を過ぎますが67キロ地点の浜佐呂間あたりをうろついています。あと残り33キロと三分の一です。

 <退職前のひとっ走り、サロマ湖100キロウルトラン 走談家 藤田 俊英> (00/06/28)




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