コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.101

五月雨天な江戸城のお濠端、集客ジョッギングコースは濡れ手に泡
 昨日5月20日、雨天の中を午前8時から4時まで、皇居回りを走り続けた集団がいました。6月25日の北海道サロマ湖ウルトラマラソンを目指すランニング好きな異業種交流会です。まあ単なる酒飲み集団とほとんど変わりませんが、走りへの情熱は天下一品ですね。30人近くが東京からオホーツクまで百キロ走りに行くなんて、普通の方々から見たら<正気の沙汰>じゃ〜あ〜りませんよね。

 5月19日の読売新聞朝刊「都民版」に「皇居をかける」が掲載され、夜久さんが登場していました。この方が、昨年の今頃の月例会で「来年はサロマに団体出場だ〜〜」と酔って息巻き、「そんなら、出るぞ〜」「私も〜」「一丁走るか〜」と賛同者が多数名乗り上げます。これで決まり。次回、「月毎のトレーニングメニュー」が示されます。「あれ、冗談じゃなかったの」と言っても後の祭り。

 雨も降ってるし、二日酔いはきついし、腸頚靱帯はうずくし、とグズグズして、結局11時から皇居回りを走り始めます。ヤル気満々の先行組は30キロを越えてますよ。12時過ぎてNTTグループの駅伝大会が始まります。キャピっとした娘さんからドロっとしたオヤジさんまで、集客&動員能力はさすがNTTですね。

 駅伝が終わると、急に走り人が少なくなります。風雨も激しくなって来ます。歩道に水たまりが出来て、シューズが重くなります。3時半を越え、和気清麻呂の銅像に陣取ったサポーターにお礼を言って、9周回を終えます。ビニール合羽を端折って、神田の銭湯にスタコラサッサと向かいます。江戸っ子は熱い湯が好き、湯上がりは居酒屋ビールをキュっとやります。しかし、皆さん元気ですね、70キロ走って大酒飲んでますよ。ママがランナーの銀座のクラブに2次会を繰り出す輩もいました。

 花のお江戸の400年前、日比谷〜丸の内〜大手町は埋め立てが終わったばかり、海岸線がドンドン沖に競り出て行きます。関ヶ原が始まる前から商売人の勘で、「家康はんが勝ちまっせ」と、全国から江戸に起業家が馳せ参じてきます。褌一丁で濡れ手に泡な商売人が集客・動員した旧海岸線を、サロマを目指す走り人が濡れネズミ。

 <街づくりランニング商店 走り屋・道楽衆 走談家 藤田 俊英> (00/05/21)




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