コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.090

東京シティ・セールス、チャレンジランニング娘がNY証券所を取引る
 21世紀の4月半ば、ボストン郊外のホプキントンの丘に1万人のランナーに混じるチャレンジ・ランニング娘の艶やかな江戸紫ファッションが人気を集めています。ボストン入りした直後から、地元マスコミの取材攻勢です。「単にマラソン走りに来たんとチャイまっせ、わたいら東京の都市観光のシティセールス・レディでっせ」「この伝統がありゃーすボストンで、東京の都市観光な魅力を大和ナデシカンに見せるんだがね」「ばってん、プロじゃなかと、素人ランナーたい」・・と出身地の方言丸出しのインタビューがCNAから放送されていました。

 帰国間際にボストン市長から石原都知事宛の親書を託されました。「チャレンジ・ランニング娘の江戸ムラサキングなアクションに感服つかまつり、つきましては、11月の東京国際女子マラソンにボストニッシュなヤンキーランニング娘を30人派遣いたします。んなもん、東京に負けてたまりまっかいな」とナニワンなメッセージでした。

 11月のNYシティマラソン、ランニング娘以外に警視庁交通部からも視察目的を兼ねた男女ポリスランナーが加わっています。主催者のNYロードランナーズクラブから度重なる各種パーティの参加要請で、酒飲みランニング娘の肝臓は疲労困憊です。前日の国連本部からセントラルパークまでのフレンドシップランは、艶やかな浴衣姿、凛々しい祭り法被姿で大江戸のお祭りを演じて、そらもう大変な人気。用意したハリボテの御輿は、ボディガードを買って出たイタリアとブラジルのランナーに献上しました。

 マラソン本番、4時間、5時間、6時間のペースメーカーを勤めるランムスの回りを十重二十重な世界中のランナーが取り囲みます。25キロ地点でマンハッタンに入ってから、またまた大騒ぎ。ランムス見たさに観衆が500万人も殺到です。普段の2倍の観衆にNY市警のアルバイトな非番警官も、交通規制に悲鳴を上げています。観衆が口々に叫びます。「こんなオモロイ日本人は初めて見たでぇ〜、なんやて東京から来た、ほんならワイラも東京に行って、散々オモロイことしてこまそーやないか」と、これまたナニワンとカワチングな叫びです。

 ゴールしたランムスに、これまた大変な依頼がきました。「明日のNY証券取引所の取引開始の鐘を、優勝者とレースディレクターと一緒に鳴らしてもらいたい」、いよいよランムスが産業振興の女神なブランドに到達しました。「ランムスの未来は、世界が羨む」と東京シティセールスのランムス効果は、世界中に喧伝されます。

 と言うことで、黄金週刊記念は「チャレンジランナー娘、あで姿、東京シティセールス」の一席を長々と走談いたしました。この走談は、完全なフィクションでして、実在する団体、組織、制度・・とは何の関連もありません。走談家の絵空言でした。

 <街づくりランニング商店 東京ランニング娘プロデューサー 藤田 俊英> (00/05/02)




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