コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.072

オレゴン・フッドツーコースト駅伝、祭り装束法被旅心 その15
 空を雲が覆ってきて、31区間から第4走目が始まります。坪山は青いジョッギングタイツに白いTシャツの上から法被を羽織り、お得意の捻り鉢巻きです。眠たそうな目をして、ハイウェイ202を飛ばします。32区間から、グリーンマウンテン道路にそれます。通算24時間が経過、もう残り4時間程度です。クリスの4走目は、白いランシャツに黒いランパン、金髪を汗止めで押さえて、分厚い胸から太い腕を振って、イリノイの韋駄天振りをご披露します。

 私の4走目は、36区間中の最長な7.6マイル、約12キロのヤングリバー街道です。のどかなオレゴンの牧場地帯、緩やかな上下左右のうねりがランナーの目を楽しませます。時速10キロで途中2回の給水を受けます、96年4月の第百回記念ボストンマラソンの記念グッズを着たロリがペットボトルを手渡し、そこからワインレッドの2号車まで100mぐらい併走してくれます。2号車のメンバーの前を、多少遅い目に走り抜けます。

 片側1車線、道をはずれると牧場で黒い牛が昼飯の牧草を貪っています。ランナーの方を全然見ずに、尻を向けてノンキなもんです。働いている農家の人の姿はまったく見かけません。ひょっとしたら、皆さんこの駅伝に参加中かもしれませんね。我々チームの前後を走り続ける数チームとはすっかり顔なじみになって、給水を待つ彼らの前を走り去るさい、お互いに「グッドジョブ」の掛け合いなんですね。

 リーバイス&クラーク学校道路に進路が変わり、リーバイス&クラーク学校の正門前が中継所です。黒の短スパッツに深緑なホノルルマラソンの完走Tシャツ、アシックスのランニングシューズ、髪をポニーテイルに縛り上げてゴム毬のような小泉が弾んで行きました。その跡に、縁起物の鈴の音が残ります。シャンシャン・・・・。

 33,34,35、36区間は道路名がリーバイス&クラーク学校と言う片側1車先線がコースです。走りの分担を終えたメンバー半分は、今頃ゴール地点、北緯46度の宗谷海峡から太平洋を真東側、シーサイドビーチで羽を伸ばしています。

 <オレゴン駅伝は黒牛が尻見せる 走り屋・道楽衆 走談家 藤田 俊英> (00/04/04)




前のページへ戻る