コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.071

オレゴン・フッドツーコースト駅伝、祭り装束法被旅心 その14
 19、20、21区間と約9キロづつ、峠越えのピッツバーグ道路、砂利道を進みます。道幅狭く、ランナーの横を多くのワゴン車が追い越す毎に排ガスをたっぷり浴びせます。我がチームは日本男児な土田、国弘、坪山が条件を物ともせず、快調な走りを繋ぎます。相変わらず、ホタル点滅式反射ベストは回りから注目されています。

 22区間から28区間は、穏やかなコースに戻ります。草木も眠る丑三時、天空に半月が時々顔を表します、曇り空で風はそよそよ走るに絶好のコンディションです。22中継所でクリスから引継ます。前と同じ法被姿、頭に炭坑夫のヘッドライトを装着します。6マイルのモダレイトなコースは、途中から草原の中を行くハイウェイ47を進みます。前後に全くランナーがいません。オレゴンの大草原の漆黒を一人駆け、時折ワゴンが追い抜いて行きます。目が暗闇に慣れていますから、わずかな光でも随分遠くまで見渡せます。

 鼻歌混じりで小泉にタッチ、牧場のまっただ中の24、25区間はイージーなコース、ボチボチ空が白くなってきます。教会脇の25中継所でロリを乗せて、30中継所にすっ飛ばします。石切場跡の駐車場に着いて、すぐさま仮眠を取ります。3時間ほどの貴重な睡眠を全員が取ります。運転手のオースチンも相当疲労しています。V8ワゴンで5人が、窮屈な姿勢で寝込んでいます。

   目が覚めました、朝の8時過ぎは好い天気です。タオルを持って、仮設トイレの行列に並び、所定の行事を済ませて、戻ってバナナとパンとスライスハムとミルクと堅くなったお握りをパクつきます。もう、動物の昔に戻ってますね、走るために寝て食って飲んで・・する。イリノイのクリスはケロっとして、他チームに法被姿を見せています。ロリも元気を通り越しています、時差ボケがない分、日本人より有利です。

 12人で3回づつ36区間を走り繋ぐ所を1人で回しますから、31区間から6人が4回目のステージを演じます。国弘から坪山に交代、まもなく通算24時間となります。ダダっ広いオレゴンの大草原を緩やかに片側1車線が続きます。

 <オレゴン駅伝を炭坑夫ライト駆け 走り屋・道楽衆 走談家 藤田 俊英> (00/04/01)




前のページへ戻る