コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.069

オレゴン・フッドツーコースト駅伝、祭り装束法被旅心 その12
 14区間は、倉庫街から再びハイウェイに戻る5.6マイルのモダレイトなコースです。私には思い出深い区間です、昨年の駅伝で走りましたし、92年9月27日に参加したポートランドマラソンのコースにも重なっています。ポートランドマラソンのコース中の最高標高がセントジョンズ大橋で、はるか手前からその吊り橋の優雅な形状がランナーたちの目を楽しませます。

 スタートから10時間経過、ランナー小泉の前方にセントジョンズ大橋が控えていますが、暗闇の中で見分けがつきません。天空に半月が輝いていますが、時折雲に隠れます。ハイウェイと言っても、日本のように道路照明が全くありません。月が雲に遮られると、漆黒の闇です。ランナーはライトで足下を照らしながら、進みます。

 第14中継所、ロリが点滅式反射ベストを着込んだ姿で、よそのチームの米国ランナーたちに混じってはしゃいでいます。暗闇の中、鈴の音がかすかに聞こえ始め、点滅式の灯りが見えてきます。星条旗のランニングファッションのロリと無事に交代した小泉に疲れた様子はありません。ロリの15区間は一直線の5.4マイル、イージーなコースです。まあ、30分位で走っちゃうでしょう。コースの右側にウィラメットが大きな川幅で流れているのですが、暗闇のせいで見えません。

 1号車が走っているロリを追い抜いて行きます。星条旗カラーの赤青白に光る豆電球、鈴を鳴らして飛ばしています。千チームが300キロのコース上を駅伝中なんですが、このあたりランナー同士の間隔が開いています。実際に走ってると、たった一人で真っ暗闇の中をトボトボ進む感じです。ハイウェイの車の数もめっきり減っています。こんな雰囲気が、逆にチームの連帯感、絆を強めるのです。それと共に、他のチームへの何と言うか、一体感が湧いて来るんですね。1859年にオレゴンを建州した先祖のグッドジョブな連帯感、絆ですね。

 <オレゴン駅伝を真っ暗闇ホタル駆け 走り屋・道楽衆 走談家 藤田 俊英> (00/03/31)




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