コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.067

オレゴン・フッドツーコースト駅伝、祭り装束法被旅心 その10
 7区間は、途中から田舎道を進む5.9マイルのハードコース。8区間も田舎道の4.6マイルのイージーコース。9区間から212ハイウェイに出ますが、車の多い危険な道の端を進む6.4マイルのハードコース。10区間はサニーサイドロードに出る4.8マイルのモダレイトコースです。

 第1号車は第10中継所に先回りして、思い切りくつろいでいます。ここは、バレイビュー教会の敷地内で、近所の方々がテントを張って模擬店を出していますし、コンテナハウスには、簡易シャワーも用意されていました。クリスとロリが、どっさりとプレゼントを持ち出しました。各地のレースの米国製完走Tシャツです。日本のそれとは違う上質コットンの肌触りが素敵です。

 そこそこに、日米の交流に花が咲いていた午後5時頃でした。地元TVの取材が来て、我がメンバーのランナー姿の異様さにインタビューを仕掛けて来ました。当然、クリスとロリが英語で答えています。坪山は鳶装束に捻り鉢巻き、雪駄履きです。私は法被をまとっています。この装束は何だの質問に、私が英語で答えました。「ディスイズ、ジャパニーズトラディショナル、フェスチバルファッション」他にも何かしゃべったみたいです。

 これが6時のニュースで流れたんです。「日米混成の変なチームが駅伝に出てるよ、皆さん見に行ったら面白いよ」っと、私らの姿の異様さとメンバーのドアップな顔が。こっからがアメリカなんです。ポートランドの知識階級な方々が、第12中継所にゾロゾロっと集まり始めました。そんなん私らは全然知りません。11区間を坪山、12区間をクリスと進みます。やっと、空が暮れて来ました。夜間走行は反射ベスト着用とライト所持が義務付けされています。

 この反射ベストに日本の建設現場の新鋭モデルを持参しています。豆電球がズラっと組み込まれ、単3乾電池2個で蛍のように自己発色します。 白の捻り鉢巻き、白のTシャツ、白の短パン、白のジョッギングシューズの走り装束に青い土佐山田法被をまとい、その上の蛍ベストが点滅し初めています。第12中継所の駐車場から中継地点に向かう途中、私の回りに大勢の人集りが出来ました。「なっなっ!なんやねん!この連中は?」

 <オレゴン駅伝をTシャツ土産 走り屋・道楽衆 走談家 藤田 俊英> (00/03/27)




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