コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.058

オレゴン・フッドツーコースト駅伝、祭り装束法被旅心 その4
 ポートランドな第1夜が明けました。五つ星ホテルの1回のレストランで、全員が朝食です。私以外は、駅伝コースの下見、食料買い出し・・です。オースチンが例のV型エンジンで迎えに来ます。下見と言っても、なんせ片道300キロで往復600キロですから、運転する方は半端じゃありません。

 州立大学近くの博物館に美術館を見て回ります。様々な幌馬車の1/8サイズ縮尺のミニチュアの展示がありました。19世紀の前半、オレゴンの地は幌馬車なしでは夜も明けない有様だったことが偲ばれます。現在、エンジンで動くあらゆる車種、車体、車格な幌馬車を馬が引っ張っていました。

 美術館の展示絵画の数点に、「グッドジョブ」と言う声援のかけ声のヒントを見つけました。幌馬車隊が峡谷を渡るための橋を建設している絵、幌馬車隊が広野で駐屯している絵、山腹の道を広げている絵・・と土木工事丸だしの絵に見入ります。江戸時代の野次喜多の珍道中じゃないんです、一家総出に家財道具満載、借金だらけ、引き返せない幌馬車の集団移住です。丈夫な幌馬車と車輪がめり込まない道と広くて風水害の心配のない駐屯地が必須のインフラストラクチャーでした。

 初めてロッキー越える幌馬車隊に、道と駐屯地を自前で揃える土木工事を嫌がる方々はいません。全部自前、各幌馬車の男手、時には女子供の手も必要とした土木工事を持続して、目指すオレゴンの豊饒の地に到達が可能になりました。幌馬車隊が土木技術者を雇ってたかも知れません。ただし、土木作業員は雇えません、自前自腹自費です。

 この道と駐屯地の工事中の合い言葉が、「グッドジョブ:Good Job」だったんですね。一日の工事を終えて、駐屯地に戻って来た男手をねぎらう言葉も、「グッドジョブ:Good Job」、日本だったら、「お疲れさん、ご苦労さん」ですが、米国は、仕事の中身をねぎらいます。「ええ、仕事しましたね」

 <アメリカン・オレゴン駅伝を生きな走り屋・道楽衆 走談家 藤田 俊英> (00/03/19)




前のページへ戻る