コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.043

びわ湖毎日マラソン、毎日新聞東京本社ビル地階に円形大浴場
 今日、3月5日のびわ湖毎日マラソンを久しぶりに見ました。例年の3月第1日曜日は、どっかに走りに行ってますから、実況中継は見れません。興味は、来週の名古屋国際女子マラソンの高橋さんの走りに移ってますから、男の大会は誰が勝っても、特段の感想も湧きません。見終わってから、1ヶ月振りに、桑名の丘陵地をジョッギングしました。高台からは、木曽、長良、揖斐の木曽三川の河口が見渡せます。

 皇居回り5キロコース途中、竹橋駅あたりで毎日新聞の本社が屏風のように続きます。この本社ビルの地下に大浴場があります。浴場の壁の向こうは、地下鉄が走っています。昔の新聞社には多くの活字を拾う職人さんが働いていました。肉体労働で汗まみれ、おまけにインク等で汚れますから、直径10メートルの円形浴槽が二つもある浴場が必要でした。今は活字職人がいなくなり、浴槽は欠伸のしっぱなし。

 五輪マラソン出場選手を選考する大会の主催者の新聞社も、自分の本社ビルの前をジョッギングする市民の鈍足ランナーに、欠伸中の浴場を使わせるなんて、毛ほども考えてません。汗まみれの薄汚い連中ですから、そりゃ無理もないですよ。

 国際金融都市は東京の丸の内に大手町、この当たりに江戸文化の生粋である「浮き世風呂」が必要ですね。知識社会、地下社会とか言われて、頭を四六時中使いっぱなすビジネスマンが増えています。こういう方々ほど、好きな時に手軽に一風呂浴びれる休息、休養が必要です。大手町の合同庁舎から、国の役人がいなくなります。跡地の利用策は簡単に決まらないでしょう。ほったらかされて廃墟のまま見苦しい姿を、晒すのは眼に見えています。今の建物を活かした「大手町浴場」を開湯すると、年間300万人が利用する人気湯になります。

 今の東京が落ち目の一因は、家康がせっかく開削した日本橋川を高速道路で蓋をして、護岸を切り立たせ、人との接触を断絶している所にあります。おまけに、川沿いの国有地が幽霊屋敷になって、貧乏神を住み着かせています。千代田区役所の前に、その見本があります。

 <金融都市の繁栄は江戸縁の浮世風呂 、走り屋・道楽衆 走談家 藤田 俊英> (00/03/05)




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