コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.041

代々木公園はカラスの黒、市ヶ谷濠はカモメの白、ヒチコック飛び
 昨夜、3月2日の午後9時から「20世紀名作シネマスペシャル」はヒチコックの「鳥」を放映しましたね。63年の作品はサンフランシスコ近郊の港町が舞台、身近で可愛い鳥が大勢で人間を襲う、こわい話です。エイリアンとかゾンビと言う見た目が怖い映画もさることながら、平和のシンボルのようなカモメを襲撃者にしたてる着眼点はお見事です。カラスの黒とカモメの白をコントラストに描いてましたね。

 早朝未明の代々木公園はジョッギング天国、原宿門から東京五輪の時の選手宿舎の方に回ると、明治神宮に隣接しているため鳥の鳴き声がすごいのです。そんな薄明かりの暗闇を1人走ってますと、カラスの黒装束が大挙して神宮との境の柵に並んでいます。走りのフォームを冷静に観察されるんです。「鳥」のシーンを思い出してゾッとします。喧嘩したら絶対に負けますから、そそくさと走り去って行きます。

 江戸城外濠は市ヶ谷濠、総武中央線が石垣に沿って走ります。その線路の上、千代田区の緑道が整備されています。九段に富士見と言ったお受験の本場、散歩する方々の挙措振る舞いも江戸400年の歴史を感じさせます。国指定史跡・江戸城外堀跡の案内板に6羽の鳥の姿が描かれています。カイツブリ、コアジサシ、ダイアギ、ユリカモメ、カルガモにトキと江戸の水辺にゆかりの鳥たちです。

 「鳥は天と地を往還する魂を運ぶ使者、又は魂そのものとも考えられていた」と説明書きがあります。江戸には、生活空間のいたる所に水辺や鳥が光り躍っていたんです。この風情を復元して、東京の産業振興・都市観光拠点にするのが「水辺の自然を活かす」素粒志四(ソリューション)です。このたび、チャレンジ・プロジェクト一覧表の145番「千代田のお濠にビットiランド」の備考欄URLから、「市ヶ谷濠い浮かんだ鳥たちの街づくり」を描いてみました。縁起のいい風情ですからご覧下さい。

 <鳥たちの生活環境にも優しい 、走り屋・道楽衆 走談家 藤田 俊英> (00/03/03)




前のページへ戻る