コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.034

初夏の平塚、秩父原人の子孫が24時間たすき走って外形標準加勢
 ベルマーレな平塚市、毎年5月か6月に大原にある総合公園で24時間リレーマラソンが開催されます。1チーム6人が、代わる代わる園内の2キロ周回コースを巡ります。全国から三百を越す走り屋・道楽衆が、時と空間と感動を24時間共有する愉しみに、はるばる来たぜ平塚へ!周回する決まりはチーム毎の事情で異なります。1周毎から2時間毎まで、千差万別です。

 土曜日の正午に競技場をスタート、勢い良く飛び出すチームはごくわずか。そら大半は、なんせ24時間先のことを考えたら、ニコニコしながらゆっくり進みます。我がチームは男女混成、高校生から50代まで年齢の幅は広く、1時間交代を原則とします。酒飲みなメンバーは走り終わると、缶ビールをキュッとやって安眠を決め込みます。

 競技場フィールドでたすきを受けて、走り始めます。すぐに場外に出て、園内の歩道を走ります。明るい間は結構、平塚市民の応援声援が多くのですが、暗くなって灯りが点りますと、ランナーだけのパラダイスとなります。日付が変わり日曜になると、勢い良く飛ばしていた若手ランナーのスピードが鈍ります。明け方未明、鳥が鳴き始めます。歩いている人が目立ちます。我がメンバーも疲労困憊と言うことで、私が2時間走りを披露します。

 主催者側の炊き出しサービスが魅力なんです。おにぎり、パスタ、汁粉、バナナ、豚汁が提供されます。これに、チーム独自のメニューが加わります。カップ麺、バーベキュー、焼き肉、焼きそば、カレーライス、・・と野外キャンプそのものです。普段以上に腹に詰め込みますので、24時間リレーは終わるといつも腹と肝臓の具合が悪くなります。

 残り4時間ぐらいから、盛り上がって来ます。眠気と疲労の中から、何か別の元気の素が湧いてきます。この動物の本能に近い、50万年前の秩父原人時代仕込みのDNPが覚醒します。人間である前の動物として本能を自覚します。200万年前、アフリカの森の木から馬鹿な猿が地面に落ちました。そこに猛獣が殺到します。当然、木によじ登って逃げるのが猿の常識でしたが、この馬鹿な猿は走ったんです。2本足で。この姿が人間らしく知的だったので、一族のあげて木から降りて地面で生活するようになりました。それ以後200万年間も、人間は歩く走る能力を持続可能。

 <秩父原人のDNAを持続、50万年間走・走談家 藤田 俊英> (00/02/24)




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