コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.028

東京都心の水辺、外径標準華勢なジョギング愛好家が弁慶走り
 昨日13日の東京国際マラソンは、男が走るので大した興味もなく、ラストの10キロをテレビ観戦しました。いつも通り、飯田橋の牛込見附から市ケ谷、四谷駅にかけての昇り坂でのデッドヒートが気を揉ませました。この当たり、江戸城外濠の史跡である市ケ谷濠添いの昇り坂です。総武中央線の電車の窓から、よくよくお見かけの事と思います。

 線路と濠の水面を挟んで反対側に、素敵な緑道が整備されています。「外濠の道」と呼ぶそうです。もともと江戸城外濠は、市中防衛のための軍事施設ですから、いざと言う時は大砲でも並べてぶっ放して敵によく当たるように、一段小高い盛土の上の小道です。今、小道の前の法政大学では、新築の超高層校舎が仕上げの時期になっています。

 月に1度は、代々木初台から都心を巡る3時間走りにでます。新宿、四谷から藩蔵門にでて皇居ジョギングコースを適当に周回して、竹橋から千代田区役所前を通って九段下の交差点を飯田橋に向かい、この小道を行きます。水道完備でひと休みしますが、なんせ「お受験のメッカ」ですので、すれ違う方々も何となく品の良いこと。

 四谷駅で甲州街道を渡り、上智大学の脇の盛土小道を進みます。この当たり、外濠は埋立られて、大学のグランドになっています。営団地下鉄の丸ノ内線でおなじみの光景ですね。盛土が終わると、ニューオータニの表玄関口に着きます。グランドの続きは、弁慶濠に姿を替えて、鬱蒼としたオータニの足もとの緑の木々を写す水面が不気味にカーブしています。

 市ケ谷濠に弁慶濠と都心に残された貴重な水辺の自然ですが、なんせ家康の時代の建造コンセプトである、「軍事構築物」をかたくなに死守していますから、都民や都鳥や都蝶の役には立っていません。外形標準課税もよろしいが、外形標準華勢なジョギング愛好家が愉しめるような外濠標準花製な景観演出も首都機能の維持と都市観光の発展に必要と、走談いたします。

 <外形標準華勢・走り屋・道楽衆 走談家 藤田 俊英> (00/02/14)




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