コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.025

千代田のお濠は、家康が「毎日、ゆっくり綺麗になろう」と蝶泳ぐ
 テレビの画面で、吉永小百合さんがバタフライを飛んでいます。雪印乳業のカマンベールチーズを食し「毎日、ゆっくり綺麗になろう」と、1日千メートル、1年で365キロをプールで泳ぎ切ります。「骨太」を飲んで走る、ジョッギングのヴァージョンもあります。この時のファションがたまらなく極まっていますね、いつか東京のどこかの路上で、小百合さんと遭遇したいものです。

 シャープの液晶テレビの宣伝画面は、可哀想そうに和服で正座させています。シャープのえらい方で「夢千代日記」の時の芸者姿にぞっこん惚れ込んだ人が、あの地味な和服を選択したのでしょう。液晶ブラウン管テレビの宣伝ですので、もっと小百合さんのアスレティックなキャラを見せた方が良かったと残念至極です。当の小百合さんも、痺れを切らせて、「嫁いびりのきつい姑」まる出しの熱演が極まっています。

 骨太な小百合さんが、自転車を押しながら都はるみさんの「涙の連絡船」を口ずさんでいたのが、10年前のニッセイのコマーシャル画面でした。なぜか、自転車に乗っていなかったと記憶しています。「ニッセイのおばちゃん、自転車で今日も・・」と言う生保レディのイメージを払拭させたかったのでしょう。その頃、もう一つ骨太いコマーシャル画面が人気でした、自転車にのったギャルたちが、南流石さんの振り付けで踊った「サントリーの鉄骨飲料」でした。「そーれそれそれ、テッコツインリョーー」とインパクトまる出していました。

 小百合さんの水泳好きは、つとに有名です。いよいよジョッギングにも足を伸ばされ始められ、自転車も乗れるはずですので、来年ぐらいは、トライアスリーターなお姿を披露されるはずと期待を高めています。確か、昔の日活青春路線映画で乗馬な姿も披露されていました。自転車のなかった戦国時代のトライアスロンは、水練に乗馬に鉄砲駆けだったのです。

 この戦国トライアスロンのチャンピオンが、幼名を竹千代と名乗った徳川家康、彼の縄張りした江戸千代田城は、実にトライアスリーターなお城なんです。今の皇居周りジョッギングコースと日比谷のお濠でトライアスロン三昧、それが長寿に繋がったのですね。昨年秋の叙勲で、骨太な島倉千代子さんが紫綬褒章を受賞されました。千代とは、千年の御代でミレニアム。もう一年延ばした今年の春の叙勲のタイミングの方が、古典的都市観光ソング「東京だよおっ母さん」と桜の下で、さぞかし待つだろ千代さんに「この世の花」だったかも。

 <思いっきり映画は小百合スト、艶歌は千代キスト・走談家 藤田 俊英> (00/02/10)




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