コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.018

南房総館山、人情茶店でいなり寿司
 国内のフルマラソンは93年1月の南房州の館山が最初でした。1月最後の日曜日は快晴でした。胸と背中に黄色地の大きなナンバーカードを付け、ウェストバッグにカロリーメイトを詰めて、走り始めました。コースは、登り下りの多い結構ハードでした。沿道には、おばあさんがずらっと並ぶ応援が続き、時折おじいさんが酔っぱらって大声出してランナーを激励していました。

 30キロを過ぎると、炭水化物が不足するガス欠の症状が現れます。体の中からパワーが湧いてこなくなります。そんな頃、館山名物の私設の人情溢れる茶店が店開きしています。長い上り坂の手前、縁台にいなり寿司やおにぎりがずらっと並んでいます。農家の方の手作りの行為を腹一杯にし、お茶を飲み干し、残りの距離に挑みます。パワーが沸き上がって来ます。

 これ以後、国内各地のマラソンを多々参加しましたが、あの時のいなり寿司に勝るエイドステーションはありません。もう一度、館山に参加したいのですが、2月最初の日曜日の埼玉・彩の国マラソンの方が記録が出しやすいコースのため、ご無沙汰しています。歳のせいで記録も伸びなくなり、今年の埼玉が最後の記録へのチャレンジになりそうです。来年は、記録狙いから足を洗って、もう一度、南房州の館山の人情に触れてみましょう。

 <人情マラソン走談家 藤田 俊英> (00/02/03)




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