コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.016

西豪州パースマラソンに「心と体の東京革命」、スワン川
 この2年間7月第一日曜日は、豪州の西部、インド洋に臨むパース市の小作りなマラソンに参加しています。木曜の夜行便で成田をたって、翌金曜の朝未明にパース空港に着きます。あの旅行家の兼高かおるさんが世界で一番美しい町と絶賛したパースの安宿に落ち着いて、2日間のパース見物を楽しみます。日曜の朝、6時にスワン川のほとりの公園に向かいます。ぽつんとテントが一張り、受付のおっちゃんが手持ち無沙汰にコーヒーを温めています。

 西オーストラリア・ランニングクラブが主催のパースマラソンは、参加者は大半がクラブ員で、顔なじみ。7時のスタートの10分前頃、選手が集まり始めます。特段ウォーミングアップをする風景もなく、300人のフルマラソンが始まります。42キロのコースは、スワン川に沿った専用歩道です。川と言うより大きな入り江をぐると回ります。親子3世代が出場します、60歳台に40歳台に20歳台の家族揃ったファミリーランニングは日本では見れない光景です。10歳台の元気盛りは、お呼びでなく、仕方ないのでエイドステーションでボランティアを勤めます。

 午後3時から、キングスパークの近くのクラブハウスで、完走パーティが始まります。ビール2ドル、ホットドッグ1ドルでお腹を満たしながら、表彰式やビデオ鑑賞で和みの時間を過ごします。遠い所から来た物好きな日本人と紹介され、しどろもどろの英語で挨拶しますが、なかなか飛び賞にはありつけません。まあ、多少の日豪交流に役にたったかもしれないと、「自分を誉めてやります」

 安宿に戻って、荷物をまとめて空港に行きます。パース発の夜行便で成田に向かいます。赤道を越える往復夜行フライト、パースマラソンは「親子3世代の共走りとこれを支える10台のエイドボランティア」に「心と体の東京革命」の原点を見いだしました。正義感、倫理感、思いやりの心を育むスワン川専用歩道の一幕でした。

 <「心と体の東京革命」、パースマラソン走談家 藤田 俊英> (00/02/03)




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