コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.012

作家時代の堺屋長官、NY市をママチャリツァー、都市観光を満喫ゴール
 自転車について走談します。NYマラソンは11月開催されますが、半年のずれでサイクリング大会が開催されています。5月の連休の頃です。NYファイブボロー・バイクツァーと言う名の大会で、全長42マイルに3万台の自転車が集まります。コースはマラソンと逆回り、全長3キロのベラザナ大橋を渡ってゴールとなります。

 97年の大会に、今の経済企画庁の堺屋長官が、中野浩一さんと一緒に参加されています。そう言えば、大阪堺市は、日本一の自転車産業都市です。当時の堺屋さんは、4段変速のママチャリを現地でレンタルされて、31ドルを支払い、安全ヘルメットを着用されて走破されました。

 大会当日は、地下鉄もバスもフェリーも、NY市交通局の所管する公共交通機関に自転車の無料持ち込みが許されます。交通官制にあたるNY市警察も、「行事が多くて忙しい。マンハッタンでは道路交通を止める行事が一日一回以上ある」と言いながらも、これが市民の連帯を深め、犯罪の激減にも繋がったと認めていた。

 以上を、97年5月18日の日経新聞の文化欄に紹介されています。本当にママチャリでゴールされたのが嬉しかったのでしょう、2週間後に新聞紙面に掲載されるのですから。経企庁長官の現在でも、チャリンコで国会通勤されているとの報道がありました。

 作家時代の堺屋さんは、首都機能移転の急先鋒論者でした。NYシティマラソンと言い、この自転車ツァーと言い、NY市警察の理解と協力が不可欠です。都市観光世界一のNYのお巡りさんは、千客万来をウェルカム、都市産業の振興がNYの治安の維持に繋がる事を「百も承知」です。

 警視庁は、首都機能を守るのが得意。東京都警察本部ではないので、都民や東京都の産業振興を守るのは、あまり得意ではないみたいです。仮に、万に一つ、東京から首都機能の重荷がなくなると、NY市のような身軽でスリムアップ、エアロビックにしてチャレンジプロジェクティブな都市に変貌できるのじゃーないでしょうか。物事の変化には必ずプラスとマイナスの面がありますから。

 <実は自転車も走談得意な都市交通の走談家 藤田 俊英> (00/02/03)




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