コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.010

東京歩道は自転車が恐怖、疾風のように現れて、疾風のように去っていく
 昨日31日の日経朝刊に懐かしいヒーローが登場していました。26面の全面広告はNTTコムウェアが月光仮面に、「私が、解決します。もっと強いビジネス・ソリューションを、あなたの会社に」と語らせています。40年前のスーパーヒーローです。「疾風のように現れて、疾風のように去っていく、月光仮面は誰でしょう」

 テレビでは、大瀬康一がホンダに跨り、東映映画では、大村文武が陸王に乗って、サタンの爪と戦いました。今、東京都心を「疾風のように現れて、疾風のように去っていく」のは、メッセンジャーと呼ばれる「自転車便」のお兄さんたちです。MTBやロードレーサーを駆使する「正義の味方のいい人よ」

 10年前、中部通産局の商工部が、駅前商店街の活性化を、都市交通は自転車の視点から検討する「都市交通と自転車」と言う委員会を設立しました。当時の商工部長が自転車愛好者でした。都市交通専門家や自転車振興協会の理事に混じって委員を拝命しました。名古屋の駅前商店街の不法駐輪や東京練馬のレンタサイクルなど調査を担当しました。ママチャリで子供3人と相乗りするお母さんの話も聞きました。

 昨日31日の読売朝刊26、27の見開き二面にトレンディな見出し、「家康に勝てるか進み始めた新しい世紀の街道づくり」が目に入ります。1601年1月に家康が宿駅・伝馬制度を定め、東海道の本格整備に乗り出したのを意識した神奈川県東海道ルネッサンス推進協議会の広告特集です。神奈川県内の宿場を中心に、歩きながら東海道の歴史、文化、自然にふれる「東海道ルネッサンス・ウォーク」を神奈川歩け歩け協会が毎月開催しているそうです。

 駅前や商店街の不法駐輪は、歩行者泣かせです。自転車を利用する体への弊害は、脚は鍛えられるが、体の垂直軸を支える様々な体幹筋肉が衰えることです。ハンドルとサドルとペダルで姿勢が決まるので、腹筋、背筋、側筋の出番がありません。立ち姿を決める背骨の垂直が保てなくなります。だから、背骨の垂直が必要な歩き、走りがおっくうになり、ますます自転車に頼り、歩行者に迷惑をかけます。

 チャレンジプロジェクト149番に、「五街道整備400周年記念、日本橋から江戸4宿を脚自慢・都市観光巡り」が掲載されました。自転車だけでなく、歩いたり走ったりして、江戸東京の歴史、文化、自然にふれる体幹筋肉強化の都市観光ツァーを楽しみましょう。品川、新宿、板橋、千住の駅前や商店街から少しでも自転車利用者を減らし、ピンと張った背筋で颯爽と歩くママ・タチンコ歩行者を増やしましょう。

 <都市交通と自転車と駅前商店街・マラソン走談家 藤田 俊英> (00/02/01)




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