コラム道楽衆:「走談家・藤田の胸算用」 No.009

大阪国際女子マラソン、明けてMonday Nikkeiは海外マラソンを特集
 本日31日の日経新聞朝刊・Monday Nikkei52面・加齢社会は、海外マラソンを特集しています。「中高年からの海外マラソン・マイペースで異国を堪能〜妻も同伴、前後に観光」と見出しが付いています。50歳以上の人でも、9ヶ月ほどトレーニングを積めば、マラソンを完走出来るとの順天堂大学の先生の話も紹介されています 競技色が強い国内の大会と違って、同じ42キロ走りきるにしても、「気楽にゆっくり楽しめる」のが海外マラソンの魅力ですね。

 94年3月6日、ロス・マラソンを完走しました。この年の1月、ロスは地震に襲われていますが、都市観光ビジネスの頂点のシティマラソンを中止しません。地震被害も観光ネタにするぐらい、災いを福にする観光商売スピリッツです。

 ロスに到着して、マラソン・ツァーで市内観光を楽しみます。日本人ガイドは大の映画好き。ツァーの顔ぶれを見て、わざわざグリフィス天文台に向かいます。ここで、ジェームス・ディーンと不良グループのリーダーがジャックナイフをかざして争ったとか、ここが、シュワルツネッガーが「ターミネーター」の冒頭で未来から降りた場所だとか、ハリウッドの魅力を叫んでいました。

 そのディーンの映画、「理由なき反抗」が昨年師走の28日にテレビ放映されていました。ナタリー・ウッドが相手役、可愛かったですね。この映画は、55年に封切られ、日本の若者に多大なる影響を与えました。石原都知事が、「太陽の季節」で文壇デビューしたのが55年7月、衝撃的な描写が世間を賑わしました。

 ディーンと「太陽の季節」に魅了された当時のハイティーンが、今や還暦を迎えます。赤いランパンとランシャツを夫婦で揃えて、ディーンとウッドのように、ロスのダウンタウンを仲良く、還暦マラソンで都市観光を楽しんではいかがでしょうか。日本では、とうてい出来ない高齢者の「理由なき反抗」も「太陽の季節」も、世界中から来た2万人のランナーが祝福して、ターミネイトしてくれます。

 <理由なき反抗・マラソン走談家 藤田 俊英> (00/01/31)




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